[P25-6] 前頭葉腫瘍摘出術後の手指力調節機能
【目的】前頭葉脳腫瘍摘出術後の手指力調節機能の変化について,健常群と比較することでその特徴を明らかにする.【方法】対象(全員右利き)は前頭葉腫瘍摘出術後の患者6名(55±22歳;病巣半球右2名,左4名)と健常群5名(50±26歳)とした.最初に両手の握力とピンチ力の最大筋力(MVC)を計測し,その後それぞれの20-80%MVCをランダムの順番で行なった.実際の筋力をそれぞれ%MVCで換算し,理想%MVCとの差(エラー,絶対値)を計算した.【結果】患者群では健常群と比べ最大握力は両側とも有意に低下していたが,最大ピンチ力は群間で有意な差がみられなかった.患者群では両側握力が理想%MVCからのエラーが健常群よりも有意に大きかった一方,両側ピンチ力のエラーは群間で有意な差が認められなかった.【結論】前頭葉脳腫瘍摘出術後の患者では手指ピンチ力よりも握力調節のほうがより低下することが示唆された.