[P27-19] 脳神経外科手術における滑車神経モニタリング
脳神経外科手術における眼球運動モニタリングのうち、支配筋である上斜筋の解剖学的特徴により滑車神経のマッピングは感度が低く、確立した方法がなかった。今回新たに先端部以外をコーティングした針電極を作製しマッピングを行った。対象は脳腫瘍で手術を施行した19例で針を経皮的に眼窩内に刺入し、上斜筋から電位を記録した。刺激はモノポーラプローベを用いた。眼窩内への針電極の挿入に伴う合併症はなかった。19例中9例(47.4%)で滑車神経のマッピングが可能であった。この方法により、滑車神経を動眼神経や外転神経と明確に区別することが可能であった。1例で術前に認めていた滑車神経麻痺は軽度改善したが、4例で術後に新たな滑車神経麻痺が出現した。新たな針電極により滑車神経のマッピングが可能となったが、持続的に機能をモニタリングする手法の開発も必要である。