[P27-20] 片側顔面痙攣に対する神経血管減圧術における術中ABRモニタリングと術後聴力について
【目的】当院では片側顔面痙攣の手術全例において術中ABRモニタリングを行っている。術中ABRの所見と術後の聴力について報告する。【方法】当院にて2019年1月から12月までに行った片側顔面痙攣に対する神経血管減圧術のうち、術前後に聴力評価が得られた136例を対象とし、術中のABRの所見及び術後聴力障害について調査した。【成績】 術後耳閉感を伴う聴力障害を訴えた症例があったが、耳閉感消失後に自覚的な聴力障害の訴えは1例もなかった。術後早期に6例で気導、骨導双方の低下が見られたがいずれも軽度で乳突蜂巣開放による気骨導差が存在した。術中ABRの所見と術後聴力低下に比例関係にはなかった。【結論】当院における本手術の聴力温存は良好と考えられた。術中ABRの所見は必ずしも術後の聴力障害を反映しなかったが、術中のモニタリングは術者への警告及び手術操作の上達に寄与していることに異論はなく、この手術においては必須と考えている。