50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

Presentation information

一般演題ポスター

一般演題ポスター 術中モニタリング

[P27-21] 術中にSEPが回復した1症例

植木幹彦1, 長谷健司1, 小柳泉2 (1.医療法人研仁会 北海道脳神経外科記念病院 診療技術部 臨床検査科, 2.医療法人研仁会 北海道脳神経外科記念病院 脳神経外科)

【はじめに】術中モニタリングで行われる体性感覚誘発電位(以下SEP)は術中に回復する例はほぼない。今回、術中にSEPが回復した1例を報告する【症例】患者は82歳女性。左視床出血後の後遺症のため当院入院中。転倒後に腰部痛を訴えたためMRIを実施。L1の圧迫骨折とTH9~L1に硬膜外血腫を認めた。症状が強くなかったため経過観察となったが翌日、下肢麻痺が憎悪しMRI再検したところ血腫の増大と脊髄圧迫が悪化。同日緊急の脊髄硬膜外血腫除去術となった。術中モニタリングは脛骨神経刺激のSEPを行った。術中で血腫除去後から術中のコントロールよりも振幅の増大を認めた。術後下肢麻痺は改善した【考察】通常の脊柱管狭窄症では術中SEPの回復は認めず、急性発症の術中SEPが回復を認めた事は、術中SEP回復の有無は神経圧迫の期間によって決定されるのではないかと推測される。回復所見が手術効果判定の一助になる可能性があるので念頭におく必要がある。