[P27-8] 術中経頭蓋MEPモニタリングにおける末梢神経刺激CMAPによる Anesthetic fade の補正
【目的】経頭蓋MEPモニタリング症例を脊髄手術と開頭手術に分けAnesthetic fade(AF)が観察されるか否か,末梢神経刺激CMAPにより補正されるか否かを検討し,AFの原因を考察した.【方法】術前後で運動神経症状の変化を認めなかった脊髄手術378回の1400筋と開頭手術203回の461筋で刺激強度,手術操作前後のMEP振幅相対値,末梢神経刺激CMAP補正MEP振幅相対値と手術時間の関係を解析した.【結果】脊髄手術の刺激電圧(418.9±107.7V)は開頭手術のそれ(393.8±108.6V)を有意に上回った(P=0.0039).MEPの振幅相対値は脊髄手術では300分,開頭手術では240分未満と以上の症例群で有意差を認めた(P=0.0271, P=0.0009)が,末梢神経刺激CMAP補正した両群間にいずれも有意差を認めなかった.【結論】AFは脊髄手術のみならず開頭手術においても観察されいずれも末梢神経刺激CMAPにより補正された.これより神経筋接合部におけるシナプス伝達の抑制がAFの主因と考えられた.