[P3-2] 受動的聴覚課題を用いた機能的MRIによる言語優位半球同定手法の検討
[目的]てんかん外科での言語優位半球同定手法には、従来和田テストが採用されてきた。近年、非侵襲的なfMRI手法が和田テストに劣らないと認知されつつあるが、使用言語課題や統計学的閾値設定に関して統一見解は得られていない。また日本人対象の研究報告は少数である。本研究では、本邦での非侵襲的言語優位半球同定手法確立を目的として、てんかん手術患者を対象に聴覚的言語課題によるfMRI評価を行った。[方法]てんかん手術術前患者8名(右利き7名、発達障害例1名)を対象とした。連続する文章を順再生+無音、順再生+逆再生の組み合わせで聞かせ、得られた脳賦活画像を統計解析し、和田テストの結果と比較した。[結果]和田テストとの一致率は87.5%で、左利き症例のみが不一致の結果となった。また、発達障害例においても合理的な脳賦活画像を得ることができた。[結語]本研究のfMRI評価手法は、簡便で非侵襲的かつ実用的である可能性が示唆された。