[P3-4] 難易度の異なる二重課題における運動準備電位と注意機能の関連
【目的】本研究では、運動準備電位から得られる振幅、潜時が課題の難易度により異なることと注意機能との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】右利き健常成人22名を対象に、運動単一課題と簡単二重課題、複雑二重課題におけるC3とC4の運動準備電位と注意機能検査であるPASATを測定した。運動単一課題は5秒間隔となるよう右手第2指伸展を行う課題、簡単二重課題は9つの数字がモニターにランダムに提示され、特定の1つの数字の出現回数を記憶し運動単一課題を行う課題、複雑二重課題は特定の2つの数字の出現回数を記憶し運動単一課題を行う課題とした。【結果】C3振幅は簡単二重課題時に運動単一課題に比べ有意に大きくなり、複雑二重課題では運動単一課題と類似し、PASAT成績と有意な相関を認めた。【結論】運動手と対側の運動準備電位の振幅は、課題の難易度による注意配分量の違いを反映し、注意機能の生理学的指標となり得ることが示唆された。