日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 筋電図(針・SFEMG・表面)

[P7-7] 異なる動作課題間における予測性姿勢調節機能の関係性

石田晴輝, 渡邊龍憲, 桑原貴之, 久保南実, 松本卓也, 柚木啓輔, 陳瀟瀟, 伊藤佳奈美, 桐本光 (広島大学大学院 医系科学研究科 感覚運動神経科学教室)

【目的】一側上肢から対側上肢への物体移動(上肢間),立位からのつま先立ち(下肢間),ならびに上肢挙上時(上肢下肢間)に生じる予測性姿勢調節機能には,個人内において共通性があるのか否かを検討した.
【方法】健常成人被験者14名が上記3課題をランダムな順序で各10回実施した.主動作筋に先行する姿勢調節筋の活動開始時間(ΔEMG onset)を電気生理学的指標,床反力計に投影された足圧中心位置の変動を物理学的指標とし,予測性姿勢調節機能を評価した.
【結果】ΔEMG onsetにおける3課題間の関係性は認められなかった.一方,課題遂行時の外周面積と軌跡長において,下肢間課題と上肢下肢間課題との間で,有意な相関関係が認められた.
【結論】1)つま先立ち時に重心動揺が小さい者は,上肢挙上課題時でも同様の傾向を示す.2)予測性姿勢調節機能の電気生理学的指標は必ずしも課題遂行時の重心動揺抑制に貢献しない.