[P8-6] 肘部尺骨神経ニューロパチーの神経伝導検査所見
【目的】肘部尺骨神経ニューロパチー(UNE)でみられる神経伝導検査所見の多様性を検討した。【対象および方法】UNEと診断された15名につき、臨床所見と神経伝導検査所見の特徴をまとめた。【結果】臨床症状・症候では12名以上に手指尺側の痛みとしびれ、小指の二点識別覚低下、Tinel様徴候、手指の巧緻運動障害がみられた。Inching刺激検査で、全例がTinel様徴候と一致する部位に局所的伝導遅延を確認した。絞扼部位は、尺骨神経溝が12名、肘部管2名、arcade of Struthers 1名と考えられた。2名で伝導遅延部位に伝導ブロックが、4名で同部から遠位にかけて徐々にCMAPの波形と振幅変化が確認された。遠位でのCMAP振幅低下は10名に、SNAP振幅低下は9名にみられた。【考察】軸索変性の評価とともに、絞扼部位の同定には臨床所見と局所的伝導遅延の局在を知ることが有用である。