[P8-8] 横隔神経伝導検査にて経過を追えたShrinking lung syndromeを伴う全身性エリテマトーデスの一例
【症例】40歳台男性。X-28年にSLEと診断。X年2月頃より、階段の上り下り時の息切れや仰臥位での呼吸苦を認めた。X年6月の胸部レントゲン写真にて、右横隔膜の挙上を認め右横隔神経麻痺が疑われた。X年7月、横隔神経伝導検査を施行し、終末潜時左8.2ms、右12.6ms、振幅左1.1mV、右67μVと著明な左右差を認めた。SLEに合併するShrinking lung syndrome(以下SLS)が疑われ、ステロイド療法を開始した。X年8月では、著変を認めなかったが、X+1年2月では終末潜時右13.4ms、振幅右261μVと右の振幅増大を認めた。胸部レントゲン写真では明らかな変化は認めなかった。【考察】SLSはSLE患者の約1.1%に合併するとの報告があるが、横隔神経伝導検査を施行した報告は少ない。今回の一例は、著明な振幅の低下を認め、長期的に振幅の改善経過を追えた。以上より、横隔神経伝導検査は侵襲性がなく、SLSの機能的な評価および経過観察に利用できる検査法であることが示唆された。