日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経筋超音波・末梢神経筋画像

[P9-7] 著明な舌萎縮を認めたニューロパチーの一例

高原実香, 福本竜也, 山崎博輝, 高松直子, 大崎裕亮, 山本伸昭, 宮本亮介, 藤田浩司, 和泉唯信 (徳島大学病院 脳神経内科)

【症例】52歳、男性【主訴】構音障害【現病歴】X-2年2月頃よりしゃべりにくさを自覚した。近医で精査を受け筋萎縮性側索硬化症(ALS)が疑われた。X-1年7月頃より周囲から聞き返されることが増えた。X年4月当院当科に入院した。左優位の舌萎縮とfasciculation、構音障害を認めた。一方で四肢筋力低下や深部腱反射の異常、病的反射は認めなかった。針筋電図で舌、胸鎖乳突筋、僧帽筋にfasciculation potentialを、舌に慢性脱神経所見を認めたが、四肢体幹筋は正常であった。神経伝導検査でも四肢に異常はなかった。神経エコーでは頸神経根、四肢末梢神経に著明な腫大、さらに舌下神経にも腫大を認めた。腓腹神経生検にて一部の神経束の神経内鞘に浮腫性変化を認めた。γグロブリン大量療法を繰り返し、構音障害、舌運動の改善を認めた。【考察】本例では著明な舌萎縮からALSの可能性が疑われたが、エコー検査での神経腫大がニューロパチーを考える契機になった。