50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

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ワークショップ

ワークショップ3 問題症例の神経筋診断

Thu. Nov 26, 2020 4:30 PM - 6:00 PM 第7会場 (2F J)

座長:有村 公良(大勝病院)、畑中 裕己(帝京大学 神経内科)

[WS3-2] 右上肢への落下物による労災を契機とした右上肢筋力低下の一例

蜂須賀明子1, 佐伯覚1, 大成圭子2, 足立弘明2 (1.産業医科大学 医学部 リハビリテーション医学講座, 2.産業医科大学 医学部 脳神経内科)

 23歳男性。X-2年、同僚と2人で100kgの鉄材を肩に載せて徒歩で運搬中、同僚が誤って手を離してしまい、鉄材が患者の右肩~右前腕へ滑り落ち、最終的に患者が座り込む姿勢で右前腕上に落下した。その後より右手脱力を自覚したが、出血や外傷は明らかでなかった。近医整形外科を受診し、右手内筋の筋力低下を認め、X線では明らかな骨折なく、頚椎MRIは正常範囲であった。その後も徐々に右上肢の筋力低下が進行し、受傷後6ヶ月頃より右前腕部・右手の筋萎縮を自覚したが、それ以降の症状進行はなかった。臨床的に尺骨神経障害疑いと診断され、さらなる精査も検討されたが、仕事が多忙で受診できずに経過した。X年当院整形外科を紹介受診した。右前腕部および手内筋の筋萎縮あり、右握力0kg、MMT(右): 三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋5、尺側手根屈筋4、尺側手根屈筋4、骨間筋3、小指外転筋2、感覚は右手尺側・小指にごく軽度の表在覚低下を認めた。尺骨神経障害、腕神経叢損傷、頚椎疾患などが疑われ当科へ電気生理診断が依頼された。神経伝導検査および針筋電図を実施した。検査結果と診断を提示する。