第97回日本産業衛生学会

セッション情報

市民公開講座

市民公開講座

2024年5月25日(土) 16:00 〜 18:00 第2会場 (広島国際会議場 B1F ヒマワリ)

座長: 神田 秀幸(岡山大学学術研究院医歯薬学域公衆衛生学), 山下 潤(マツダ株式会社 安全健康防災推進部)

「75年は草木も生えぬ」―原爆投下によって広島は市街地を含めて大きなダメージを受けた。しかし、戦後多くの人の努力によって、広島は自動車製造・造船・鉄鋼・電子部品など、「ものづくり」を基盤とした多種多様な産業が栄える、大きく美しい都市として復興を遂げた。戦後の広島で復興を支えた企業の一つであるマツダ株式会社は、わが国の基幹産業である自動車製造の中核をなしてきた。一方で、現在の自動車産業は、技術の飛躍的進歩と環境規制の厳格化が求められる大きな変革期にある。今回の市民公開講座では、この自動車産業の技術者2名を迎え、その変遷や最新の知見を学ぶ。|| まずは、R&D戦略企画本部開発戦略企画部 栃岡孝宏氏に「クルマを通じた生きる歓びへの貢献」をテーマにご登壇いただく。安全技術の研究・開発にあたっては、事故のない安心・安全なクルマ社会の実現を目指し、ドライバーを理解・信頼・尊重する「MAZDA PROACTIVE SAFETY」を重視しているが、運転中の眠気や、体調急変を原因とした事故への対応など課題は多い。今回は、家族を含めた周囲の人の安心と自信を持っていつまでも運転していただくために、ドライバーの状態検知によってリスク低減を目指す先進安全技術「マツダ・コ・パイロット・コンセプト(MAZDA CO-PILOT CONCEPT)」や、自分の意志で動き人生を楽しいものにしたい、そんなすべての人を応援したいという想いで生まれた手動運転装置付き福祉車両SeDV(Self-empowerment Driving Vehicle)についてご紹介いただく。||次に、商品開発本部 上藤和佳子氏に「ロータリーエンジンの新たな挑戦 ~時代に適合した電動化技術としての復活~」をテーマにご登壇いただく。ロータリーエンジン(以下、RE)は世界で唯一、マツダ㈱が量産を成功させた技術であり、「自動車メーカーMAZDA」の象徴ともいえる。REは2012年に生産終了となったものの、その後も研究は引き継がれており、ついに2023年、11年ぶりに新たな電動駆動ユニットとして生まれ変わった。今回は、このREの今までと今後についてご紹介いただく。||この企画を通して、自動車産業の最新の知見から、安全・安心を高め、さらなる向上に尽力する技術者の取組みを学び、熱意とともに議論を深めたい。