第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-12] 早期口腔扁平上皮癌におけるcell-in-cell構造の臨床的検討

〇福嶋 大将1、柳本 惣市1、大鶴 光信1、末吉 駿幸2、大森 景介1、鳴瀬 智史1、古川 浩平1、梅田 正博1 (1.長崎大学 口腔腫瘍治療学分野、2.長崎大学 歯学部 歯学科)


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【緒言】癌細胞の共食いによって引き起こされるcell-in-cell構造は,さまざまな上皮性悪性腫瘍で報告されており,腫瘍進展との関連性が報告されている。しかしながら,その臨床的意義は未だ不明な点も多い。本研究では,早期口腔扁平上皮癌におけるcell-in-cell構造の臨床的意義を評価することを目的とした。

【対象・方法】対象は2008年から2018年に当院口腔外科にて,病理組織学的に扁平上皮癌と診断され,根治手術を行ったT1-2N0である101例で,術後病理標本にて,cell-in-cell構造について検索し,臨床病理学的因子および予後との関連性を検討した。

【結果】対象症例101例のうち,cell-in-cell構造は34例で認められた(33.7%)。臨床病理学的因子では,静脈侵襲および神経周囲浸潤とそれぞれ相関性を認めた(P=0.012およびP=0.018)。また予後については,全生存率,疾患特異的生存率および無病生存率のいずれにおいても統計学的有意差を認めなかったが,cell-in-cell構造を認めた症例の方が予後不良の傾向を示した。

【結論】cell-in-cell構造は口腔扁平上皮癌において,静脈侵襲および神経周囲浸潤を反映しており,予後因子となる可能性が示唆された。