第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-16] 当科における口腔癌に対する臨床的統計

〇稲葉 好則1、金丸 智紀1、久保田 真子1、長谷川 和樹1、大山 厳雄1 (1.静岡市立静岡病院 口腔外科)


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口腔癌の診断や治療の変化に伴い、最新の標準治療や治療薬はもちろんのこと、自施設の治療方針、治療成績の把握は重要である。今回、我々は過去10年間の当科における口腔癌症例について評価したので報告する。
 対象は、2008年1月から2018年12月までの10年間に、静岡市立静岡病院口腔外科を受診し、口腔癌と診断され当科で治療を行った症例256例について臨床統計学的に検討した。対象症例は男性134名、女性122名。初診時平均年齢は71.3歳であった。部位別内訳は、舌が113例(44.1%)と最も多く、下顎歯肉62例(24.2%)、上顎歯肉30例(11.7%)と続いた。病期分類は0期12例、Ⅰ期84例、Ⅱ期79例、Ⅲ期24例、Ⅳ期は58例であった。治療法は、手術単独療法が197例(73.0%)、術前化学放射線療法と手術療法の併用が52例(19.3%)、その他7例であった。原発癌切除後の後発頸部リンパ節転移は37例(14.4%)に認め、二次的に頸部郭清術を施行した。局所再発は54例(21.1%)で、35例に追加手術を行った。全症例の5年生存率は77.5%(舌:80.2%、下顎歯肉:79.3%、上顎歯肉:68.8%)であった。ステージ別にはⅠ期84.7%、Ⅱ期77.8%、Ⅲ期67.5%、Ⅳ期は64.8%であった。今後、さらなる治療成績向上を目指し、症例の詳細な解析が重要と考えられた。