第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-17] 口腔領域に初発症状を呈した悪性リンパ腫8例の検討

〇篠原 潤1、鎌田 孝広2、草深 佑児2、酒井 洋徳2,3、栗田 浩3 (1.御代田中央記念病院 歯科口腔外科、2.長野市民病院 歯科口腔外科、3.信州大学 医学部 歯科口腔外科学教室)


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【緒言】口腔領域に初発症状を呈する悪性リンパ腫は比較的少なく,炎症や他の腫瘍に類似する臨床像を呈することもあり,診断に苦慮することがある.そこで今回われわれは,当科における口腔領域に初発症状を呈した悪性リンパ腫の8例について,診療録に基づいて検討し,文献的に考察を行ったので報告する.

【対象と方法】2013年4月から2019年3月の6年間に口腔領域に初発症状を呈し,長野市民病院歯科口腔外科を受診し悪性リンパ腫と診断した8例を対象とした.性別は女性5例,男性3例であった.初診時年齢は59~90歳で平均年齢は75.2歳であった.これらの患者の診療録に基づいて初発部位,初発症状,初診時臨床診断,病理組織診断,治療法などについて臨床的に検討した.

【結果】1.初発部位:下顎骨が3例で最も多く,舌が2例,上顎骨が1例,頬粘膜が2例であった.2.初発症状:口腔内所見:腫瘤の増大を認めたものが6例で最も多く,圧痛2例,潰瘍形成1例,自発痛1例であった(重複あり).3.初診時臨床診断:全例とも腫瘍疑いであった.4.病理組織学的診断:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が7例,濾胞性リンパ腫が1例であった.5.治療方法:血液内科に対診後、化学療法を行ったものが最も多く6例,放射線治療1例,経過観察1例であった.