第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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1.悪性腫瘍・臨床統計

[P01-22] 血液悪性腫瘍性疾患治療後に発生した口腔癌の検討

〇杉浦 康史1、野口 忠秀1、林 宏栄1、土肥 昭博1、作山 葵1、岡田 成生1、森 良之1 (1.自治医科大学 医学部 歯科口腔外科学講座)


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【緒言】

血液悪性腫瘍性疾患治療後に発生した口腔癌は、GVHDの関与や、非典型的な局在、急速な進行を示すことがあり、さらに全身的背景により癌治療が制約されることがある。当科で経験した4例を検討する。

【症例】

症例1: 54歳男性。骨髄異形成症候群で末梢血幹細胞移植の既往があり、舌背部舌癌の切除術を行なった。術後約2年で突然死した。

症例2: 46歳女性。骨髄異形成症候群で非血縁者間骨髄移植の既往があった。右舌癌切除を行うも再発により、腫瘍切除・再建術および術後放射線化学療法を施行したが、咀嚼筋隙再々発・転移により約1年の経過で死亡した。

症例3: 48歳男性。急性骨髄性白血病で臍帯血移植、悪性リンパ腫の治療歴があった。左下顎歯肉上皮内癌切除後1年8ヶ月で右頬粘膜癌を認め切除・再建術を施行した。

症例4: 54歳男性。急性骨髄性白血病で非血縁者間同種骨髄移植の既往があった。右舌癌切除後、約9ヶ月で頸部リンパ節後発転移を認め、頸部郭清術・術後放射線化学療法を施行した。全身照射の既往により照射線量が制限された。

【考察】

血液悪性腫瘍性疾患の既往がある口腔癌は、遊離皮弁移植を伴う高侵襲手術や、放射線化学療法の選択は可能である。しかし後遺症や腫瘍の局在により治療法が制限され特別な配慮を要することがある。また免疫抑制状態も関与し非典型的な局在や急激な進行を示すことがあるので厳重なフォローが必要である。