[P02-05] A case of buccal mucosal carcinoma with late metastasis of buccinator lymph node after brachytherapy
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【緒言】口腔癌の頬リンパ節転移はまれである.われわれは小線源治療後に頬リンパ節への後発転移を認めた頬粘膜癌を経験したので概要を報告する.
【症例】50代男性.201X年に左側頬粘膜の違和感を主訴に当科を受診した.左側頬粘膜の口角近傍に内向性腫瘍を認め,左側頬粘膜扁平上皮癌(T2N2bM0)と診断した.原発巣に対して手術を拒否されたため小線源治療を行い,頸部リンパ節転移に対しては頸部郭清術を行うことを計画し,頸部郭清術後に小線源治療を行った.頸部リンパ節転移はlevel Ib領域に1個存在し被膜外浸潤はなかった.術後1年4ヵ月で左側頬部に腫瘤を触知したため針生検を行い,頬リンパ節後発転移と診断した.手術は広頸筋上で皮弁を挙上し,咬筋,広頸筋,頬筋の一部,下顎骨骨膜,周囲脂肪組織を含めて腫瘍を切除した.切除標本の病理組織学的検索では断端陰性であったが,被膜外浸潤を認め,化学放射線療法を施行した.
【考察】頬リンパ節は顔面リンパ節の1つで顔面動静脈の分枝に沿ってみられ,頬リンパ節転移の原発部位は頬粘膜,上顎洞,鼻腔に多い.本症例では頸部郭清術を施行後,頸部のリンパ流が遮断されたため,頬粘膜から頬リンパ節への流入路が主経路となり,小線源治療後に転移をきたした可能性がある.頬粘膜癌では原発巣の大きさによらず,本リンパ節はsatellite lesionを生じる場として留意すべきであると考えられた.