The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-13] A case of multiple primary oral cavity carcinomas of squamous cell carcinoma and mucoepidermoid carcinoma in a short period.

〇Naoki Ikehata1, On Hasegawa2, Daichi Chikadu2, Akira Matsuo1 (1.Tokyo Medical University Ibaraki Medical Center, Ibaraki, Japan, 2.Tokyo Medical University Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Tokyo, Japan)


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【緒言】口腔癌において、同一口腔内に短期間で組織型の異なる原発性の癌が併発することは極めて稀である。今回、舌扁平上皮癌の術後短期間で歯肉粘表皮癌が多重性にみられた1例を経験した。【症例と経過】82歳女性。既往歴:乳癌、直腸癌。2019年11月に当科初診。右側舌縁に30mm×20mmの易出血性潰瘍を認め、生検で扁平上皮癌の診断を得た。術前の各種画像検査においては、原発および患側頸部リンパ節以外には病変を認めず、cT3N2bM0の診断で2020年1月に右舌亜全摘術、右側頸部郭清術、腹直筋皮弁による再建術を施行した。術後の経過は良好であったが、術後19日目に左側下顎臼歯部歯肉に弾性硬の腫瘤を認め、生検の結果は粘表皮癌(低悪性度)であった。また、左側上内深頸部に転移を疑う腫大したリンパ節を認めた。本人および家族ともに手術による根治的治療を希望されたため、術後36日目に下顎左側粘表皮癌(cT1N1M0)の診断で、左側下顎骨辺縁切除術、左側頸部郭清術を施行した。初回、2回目の病理検査結果より、術後再発高リスクに該当したため、補助治療として放射線治療を施行した。その後、2020年4月に多発肺転移を来し、緩和医療へ移行したが、6月に死亡した。【考察】同時期における口腔内多発癌は極めて稀ではあるが、今回のように初回手術から短期間で第2癌が生じることもあるため、術後の厳重な経過観察は改めて重要である。