The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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2.悪性腫瘍・手術

[P02-14] A case of severely obese locally advanced oral cancer with difficult perioperative management

〇Megumi Murakami1, Atsushi Ikeda1, Hidetake Tachinami1, Mayu Takaichi1, Koutarou Sakurai1, Katsuhisa Sekido2, Shuuichi Imaue1, Kumiko Fujiwara1, Kei Tomihara1, Makoto Noguchi1 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery,Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences for Research,University of Toyama, 2.Department of Oral and Maxillofacial Surgery,Toyama Red Cross Hospital)


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【緒言】

今回,重度肥満局所進行癌患者の周術期管理に苦慮した1例を経験したので,その概要を報告する.

【症例の概要】

患者は48歳,男性.下顎骨中心性癌 (T4aN2bM0) の診断で下顎骨区域切除術,両側頸部郭清術,腓骨皮弁再建術,前外側大腿皮弁術を施行した.身長182cm体重150kg,BMI 42.46と重度肥満であった.既往歴に統合失調症があった.麻酔管理上のリスクとして無気肺,褥瘡などがあった.術前に執刀医,麻酔科医,看護師でシミュレーションを行い,無気肺予防目的のランプ体位や除圧目的のマットの配置や体位の検討を行い手術に臨んだ.また,血栓塞栓症の高リスク群であり,術後より低用量未分画ヘパリン投与を開始し間欠的空気圧迫法を行いながら早期離床を図り予防に努めた.しかし術後7日目離床後より呼吸困難感,胸痛を認め,下肢静脈血栓症と肺塞栓症の診断となった.床上安静,抗凝固療法が開始となり,その後血栓は消失するも統合失調症が増悪し,歩行訓練や嚥下訓練などのリハビリ療法が遅延した.その後、統合失調症の改善と共にリハビリも進み,術後86病日に退院となった.現在,術後約1年が経過したが,再発転移なく経過は良好である.

【考察】

患者は重度肥満に加え統合失調症が増悪したことにより離床やリハビリが進まず長期入院となった.早期診断及び専門的な治療の介入により良好な治癒経過を得ることができ,チーム医療の重要性を再認識した症例を経験したので今回報告した.