第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-13] 当科における再発・転移口腔がんに対するペムブロリズマブの使用経験

〇長谷川 温1、河野 通秀1、菅野 勇樹1、里見 貴史1,2、近津 大地1 (1.東京医科大学 口腔外科学分野、2.日本歯科大学 生命歯学部 口腔外科学講座)


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【緒言】再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんにおいて、国際共同第Ⅲ相試験(KEYNOTE-048)の結果を受けて、抗PD-1抗体であるペムブロリズマブの使用が承認された。使用にあたっては、プラチナ感受性、CPS発現を確認した上で、症状、再発・転移部位、病勢や患者希望などを考慮し、関連各科と協議の上で治療選択を行っている。【対象】2019年12月から2020年10月までに、再発または遠隔転移を伴う進行口腔がんにペムブロリズマブを投与した3例を対象とした。【結果】年齢は70-89歳、男性2例、女性1例で原発部位は上顎歯肉がん2例、口底がん1例であった。CPSの発現率は、上顎歯肉がん症例が2例ともに20以上で、口底がんの1例は1-20であったが、臨床的背景を考慮していずれもペムブロリズマブ単剤での治療が選択された。初回効果判定はいずれもPRであった。副作用に関しては1例で免疫関連有害事象と思われる皮膚障害(Grade2)を認めているが、皮膚科併診の上、PSLを投与しながら慎重に継続投与している【結語】1例で免疫関連有害事象を認めているが、専門診療科と連携を図ることで重篤化を回避しつつ、治療を継続することが可能であった。再発・転移口腔がんに対しては、臨床的な特徴や腫瘍の特性を考慮したうえで、ペムブロリズマブを基軸とした治療は有用な選択肢であると考えられた。