第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-30] 両側下顎歯肉と舌に発生した同時性多発癌に対して超選択的動注化学放射線療法を施行した高齢患者の1例

〇武田 幸彦1,3、村山 和義1、田村 隆希1、二宮 一智2、戸谷 収二2、田中 彰3、藤内 祝4,5 (1.新潟県立中央病院 歯科口腔外科、2.日本歯科大学新潟病院 口腔外科、3.日本歯科大学新潟生命歯学部 口腔外科学講座、4.横浜市立大学大学院医学研究科 顎顔面口腔機能制御学、5.明海大学保健医療学部)


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【緒言】口腔内多発癌とは口腔内に原発生の癌が2つ以上発生したもので,UIC C分類によると部位が異なる,同名部位では反体側に認められる,同側性の場合は2つの病巣間に連続性がなく臨床的に1.5cm離れている,病理組織学的におのおのが癌であることが確認されているもの,等の条件を満たすものである.今回われわれは両側下顎歯肉と右側舌側縁の3か所に同時に発生した多発癌に対して超選択的動注化学放射線療法(以下動注CCRT)を施行した症例を経験したので報告する.【症例の概要】症例は80代後半の女性で半年程前に右側下顎臼歯部に顆粒状変化が出現し増大を認めたため紹介医を受診,生検にて扁平上皮癌と診断されたため当科紹介され受診.精査にて左側下顎歯肉部および右側舌側縁にも癌が認められた.治療方針として手術による治療を検討したが広範囲の切除となるため,術後の機能障害を考慮して動注CCRTによる治療を施行した.動注管は両側舌動脈と両側顔面動脈に設置した.治療内容は化学療法としてDOCを10mg/mm2を1回/1週間(total:68mg) CDDPを5mg/mm2を連日(total:122.4mg)投与し,放射線療法として加速過分割照射54Gyを施行した.【結果】治療後の生検と画像検査にてCRとなり,経過良好にて経過観察中である.【結語】口腔内多発癌症例に対して動注CCRTによる治療を行い良好な結果を得ることができた.