The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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5.悪性腫瘍・病理

[P05-20] Elucidation of the mechanism of malignant transformation of oral leukoplakia in nonsmokers and smokers

〇Naoki Funayama1, Takahiro Yagyuu1, Yohei Nakayama1, Nobuhiro Ueda1, Nobuhiro Yamakawa1, Tadaaki Kirita1 (1.The Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Nara Medical University, Nara, Japan)


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【目的】喫煙は頭頸部癌や口腔白板症の一大病因として知られるため、臨床的には口腔白板症における癌化率や癌化のスピードは非喫煙者よりも喫煙者で高い印象を受ける。一方で、疫学調査では非喫煙者の方が癌化しやすいとされているが、その理由は明らかになっていない。近年、免疫微小環境に喫煙の関与が報告されていることから、喫煙が口腔白板症の免疫微小環境に与える影響と、それによる癌化への影響について検討を行った。【対象】当科で臨床および病理組織学的に口腔白板症と診断された200例を対象とした。HE染色による上皮異形成の程度、免疫組織化学染色による上皮直下のPDL1、CD163およびCD8陽性細胞数、被覆上皮のPD-L1発現強度等を定量評価し、喫煙歴との関連を統計学的に解析した。【結果】非喫煙群の特徴として、喫煙群より有意に女性が多く、高齢、飲酒量が少なかった。免疫微小環境因子では非喫煙群は喫煙群より、上皮直下のCD163陽性細胞数、およびPDL1発現率が有意に増加しており、非喫煙群でPDL1を発現しているものは、他の群と比較し悪性化のリスクが7倍であった。【考察】非喫煙群の口腔白板症は顕在化した時点で喫煙群より抗腫瘍免疫が抑制された状態になっている可能性が示唆された。また、非喫煙者の口腔白板症の悪性化には、PD-1/PD-L1免疫チェックポイント経路による抗腫瘍免疫の抑制が関与している可能性がある。