第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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8.悪性腫瘍・腫瘍免疫

[P08-01] 口腔扁平上皮癌における腫瘍浸潤様式と活性化制御性T細胞の発現との関連性

〇梶川 ひとみ1,2、武部 克希1、松永 和秀1、鵜澤 成一1 (1.大阪大学大学院 歯学研究科 顎口腔病因病態制御学講座 口腔外科学第二教室、2.大阪大学大学院 医学系研究科 臨床腫瘍免疫学講座)


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【緒言】口腔扁平上皮癌(以下OSCC)におけるYK分類はリンパ節転移や予後との相関が示唆されているが、腫瘍局所における免疫状態との関連性の報告はほとんど見られない。そこで免疫プロファイル解析を行い、OSCC微小環境における腫瘍免疫の状態と浸潤様式との関連性について検討した。
【対象・方法】2018年12月から2020年6月の間に、外科的切除を行ったOSCC一次症例24症例(平均年齢73.5歳、男性/女性;13/11)を対象とした。切除検体の一部を酵素分解し、腫瘍内のリンパ球を抽出した。T細胞表面マーカーを染色した後、フローサイトメトリーを用いてプロファイル解析を行った。また同データを元にCITRUS解析を行い、YK high(YK-4C,4D)群とYK low(YK-1,2,3)群の2群間で発現の異なるクラスターを検出した。
【結果】T細胞表面マーカーによるクラスター解析の結果、免疫チェックポイント分子の発現が高い群ではYK high群の割合が有意に上昇した。また、YK high群では細胞傷害性T細胞の発現が低下していた。さらに2群間でCITRUS解析を行うと、YK high群に特異的に高発現を認めるクラスター(CD45RA- CD25high ICOS+ CD4 : ICOS+ Treg)が同定された。viSNE解析により、Tregを示すlandはICOSを高発現していた。
【結論】OSCCにおいて腫瘍内T細胞の免疫プロファイル解析により、ICOSを高発現する活性化制御性T細胞は細胞傷害性T細胞を抑制し、腫瘍の浸潤様式に影響している可能性が示唆された。