The 39th Annual Meeting of Japanese Society of Oral Oncology

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一般演題(eポスター)

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11.良性腫瘍

[P11-04] A case of basal cell adenoma of the soft palate

〇Imahito Karasawa1, Ryuichi Itou1, Hiroshi Kurita2 (1.Department of Oral and Maxillofacial Surgery,Suwa central hospital,Nagano,Japan, 2.Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine,Nagano,Japan)


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【緒言】基底細胞腺腫は唾液腺に発生する良性腫瘍の中では多型腺腫,ワルチン腫瘍に次いで頻度が高く,全唾液腺腫瘍の1.8~7.5%を占めるとされる.ほとんどが耳下腺などの大唾液腺にみられ,軟口蓋に発生した症例は稀である.今回,我々は軟口蓋に発生した基底細胞腺腫の一例を経験したので報告する.【症例】78歳男性.2020年4月かかりつけ歯科医院より軟口蓋の膨隆を指摘され,同年6月当科紹介となった.左側軟口蓋部に半球状で50㎜大,弾性硬の無痛性腫瘤を認めた.腫瘤の表面性状は平滑で,粘膜色に異常はみられなかった.造影MRIでは左側中咽頭から膨張性発育する境界明瞭な50×45×35㎜大の腫瘤が認められ,内部は嚢胞を形成しT2像では大部分に高信号域が認められた.良性唾液腺腫瘍の診断のもと同年8月に全身麻酔下にて切除術を行った.摘出物は被膜で覆われ一塊として切除された.病理所見として,内用液を含む嚢胞形成を認め,一部白色調の充実部を認めた.充実部ではN/C比が高いが異形成に乏しい基底細胞様細胞が篩状腺管状,単管腔腺管状,索状,微小胞巣状,充実性に配列していた.単管腔の腺管では内腔側にN/C比が低い細胞があり2層性の構造を示していた.篩状腺管や胞巣では辺縁に核のpalisadingを認めた.免疫染色では基底細胞様細胞はCK7陰性,S-100は半数陽性,HHF35一部陽性,α-SMA陽性で筋上皮細胞の性質を示し,小唾液腺由来の基底細胞腺腫の診断となった.