第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

Presentation information

一般口演

2-01 外科治療

一般口演-4
フォンタン手術

Thu. Jul 16, 2015 3:50 PM - 4:40 PM 第4会場 (1F ジュピター)

座長:
河田 政明 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
中野 俊秀 (福岡市立こども病院)

I-O-16~I-O-20

[I-O-16] 30年以上経過したフォンタン循環

坂本 貴彦1, 長嶋 光樹1, 平松 健司1, 松村 剛毅1, 上松 耕太1, 大倉 正寛1, 島田 勝利1, 前田 拓也1, 飯島 正樹1, 中西 敏雄2, 山崎 健二1 (1.東京女子医科大学心臓病センター 心臓血管外科, 2.東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

Keywords:Fontan循環, 遠隔成績, TCPC conversion

【目的】以前、Fontan術後患者は中期遠隔期には妥当なCVPと運動により増加可能な C.I.を認めるが術後20年以上経過するとさまざまな問題を有することを報告した(2007年)。今回、さらに長期間観察できている症例の経過を基にフォンタン循環の問題点を再検討した。【対象と方法】1974年3月から1986年12月までの間にFontan手術を施行し、現在当院にて継続して外来経過観察中の長期生存20例(Gp S)と経過中に遠隔死亡した20例(Gp LD)、計40例を対象にその臨床像を検討。手術時診断は三尖弁閉鎖21例、単心室症9例、Asplenia4例、その他6例。フォンタン手術術式はRA-PA graft2例、右心耳肺動脈吻合(APC)28例、RA-RV吻合10例(Bjork4、Graft6)。手術時年齢は2-32歳(中央値10歳)。【結果】当該期間中に施行したFontan手術は68例で手術死亡10例、追跡不能例18例。観察期間はGp S: 32.1±3.5年、Gp LD: 18.1±8.9年。死亡原因はCHF6例、突然死/不整脈8例、その他6例。再手術は23.3±6.5年後に16例19回施行(TCPC conversion9例(Gp S: 8, Gp LD: 1)、SAS resection3例、PMI3例、その他4例)。術後心カテは早期(1ヶ月後)と中期遠隔期(12年後)に施行されCVP, VEF, Rpは両群間に有意差なし。VEDVはGp S: 115±31→86±28 %ofN, Gp LD: 162±93→125±34 %ofN, p=0.02 、VEDPはGp S: 8.4±4.3→6.6±3.3 mmHg, Gp LD: 7.5±4.0→9.2±2.3 mmHg, p=0.06、とGp LDに心室の容量・圧負荷をともに認めた。Gp Sでは最終の外来診察にてCTR:51.3±7.6%、SpO2: 94±2%、BNP: 153±111pg/ml 、Holter ECGでSR10例、PM5例、af4例、AF1例、NYHA機能分類はI度12例、II度6例、III度2例。投薬は利尿剤(70%)、warfarin(90%)、抗不整脈剤(50%)、β-blocker(55%)、ACE/ARB(40%)などで肺血管拡張剤投与は1例のみ。【結語】Fontan患者が30年以上にわたって高いQOLを維持するには的確なTCPC conversionと投薬による抗心不全療法、抗不整脈療法が重要である。