[I-P-010] Ebtesin奇形におけるStarnes手術後の心室容量の変化
Keywords:Ebstein奇形, Starnes手術, 心臓カテーテル検査
【背景】右心バイパスが適応されるEbstein奇形に対し、Starnes手術(S術)を要することがある。フォンタン手術(F術)を最終目標とする場合、体心室とならない右室の存在が問題となる。
【目的】S術後の右室容量の変化と左室への影響を検討した。
【方法】Ebstein奇形症例で、S術を行った13例のうち、術後心臓カテーテル検査で複数回右室拡張末期容積(RVEDV)を計測できた3例。3例とも三尖弁を完全閉鎖し、右室から肺動脈への順行路は確保され、肺動脈弁閉鎖不全は認めなかった。RVEDV、右室収縮期圧(RVp)、左室拡張末期容積(LVEDV)、左室駆出率(EF)、左室dp/dt maxを検討した。
【結果】症例1;11歳男性 S術時期:7か月、グレン手術(G術)と同時に施行。計測日:S術後7か月/24か月後。RVEDV:12(36)/10ml(21%N)、RVp:12/10mmHg、LVEDV:32 (119)/34ml(89%N)、LVEF:68/66%、左室dp/dt max:1920/2256mmHg/sec
症例2;19歳女性 S術時期:8歳、G術と同時に施行。計測日:S術後7か月/15か月後。RVEDV:58(71)/53ml(61%N)、RVp 18/16mmH、LVEDV:78(107)/ 91ml(118%N)、LVEF 64/67%、左室dp/dt max 2976/2400mmHg/sec
症例3;11歳女性 S術時期:3歳、F術と同時に施行。計測日:S術後6か月後/51か月後。RVEDV:18(37)/33ml(53%N)、RVp:15/21mmHg、LVEDV:44(104)/38.1ml (71%N)、LVEF 75/78%、左室dp/dt max:1824 /1344mmHg/sec
【考察】右室容量が減少していた2例では、左室の絶対容量は増加し、左室dp/dt maxもほぼ保たれていた。右室容量が増加していた症例は、左室容量が減少し、左室dp/dt maxの低下傾向を認めた。
【結論】今回の検討ではS術時期が新生児早期ではなく、待機可能な症例であったため、観察期間も短く、S術後の経年変化を十分にとらえられていない可能性がある。右室容量が縮小していない症例では、左室容量の低下、左室機能が低下する可能性があり、慎重に観察する必要があると考えられた。
【目的】S術後の右室容量の変化と左室への影響を検討した。
【方法】Ebstein奇形症例で、S術を行った13例のうち、術後心臓カテーテル検査で複数回右室拡張末期容積(RVEDV)を計測できた3例。3例とも三尖弁を完全閉鎖し、右室から肺動脈への順行路は確保され、肺動脈弁閉鎖不全は認めなかった。RVEDV、右室収縮期圧(RVp)、左室拡張末期容積(LVEDV)、左室駆出率(EF)、左室dp/dt maxを検討した。
【結果】症例1;11歳男性 S術時期:7か月、グレン手術(G術)と同時に施行。計測日:S術後7か月/24か月後。RVEDV:12(36)/10ml(21%N)、RVp:12/10mmHg、LVEDV:32 (119)/34ml(89%N)、LVEF:68/66%、左室dp/dt max:1920/2256mmHg/sec
症例2;19歳女性 S術時期:8歳、G術と同時に施行。計測日:S術後7か月/15か月後。RVEDV:58(71)/53ml(61%N)、RVp 18/16mmH、LVEDV:78(107)/ 91ml(118%N)、LVEF 64/67%、左室dp/dt max 2976/2400mmHg/sec
症例3;11歳女性 S術時期:3歳、F術と同時に施行。計測日:S術後6か月後/51か月後。RVEDV:18(37)/33ml(53%N)、RVp:15/21mmHg、LVEDV:44(104)/38.1ml (71%N)、LVEF 75/78%、左室dp/dt max:1824 /1344mmHg/sec
【考察】右室容量が減少していた2例では、左室の絶対容量は増加し、左室dp/dt maxもほぼ保たれていた。右室容量が増加していた症例は、左室容量が減少し、左室dp/dt maxの低下傾向を認めた。
【結論】今回の検討ではS術時期が新生児早期ではなく、待機可能な症例であったため、観察期間も短く、S術後の経年変化を十分にとらえられていない可能性がある。右室容量が縮小していない症例では、左室容量の低下、左室機能が低下する可能性があり、慎重に観察する必要があると考えられた。