[I-P-015] カテーテルインターベンションおよび外科治療に対する肺血流シンチグラフィーと造影CTとのfusion imaging評価
キーワード:intervention, 肺血流シンチグラフィー, 造影CT
【はじめに】 成人領域での急性冠症候群治療では従来の血管径・狭窄率を基とした治療血管選択から心筋血流シンチグラフィーやfractional flow reserveを用いた血流情報を基としたものへと変わりつつある。小児領域では末梢性肺動脈の治療の際に肺血流シンチグラフィー(以下LP)や造影CTを基として治療を行っていたが、十分に活用されているとは言い難い状況である。今回、経皮的および外科的肺動脈形成術におけるflow dependent strategyの確立を目指したLPと造影CTのfusion imaging作成を試みたので報告する。 【目的】 LPと造影CTのfusion imagingを作成し、肺動脈血流調整へ治療介入する際の有用性について検討する。 【対象・方法】 LPと造影CTを同時期に施行した8例。年齢:中央値4.3歳(0.2-30.3歳)。LPはBright View X with CT(Philips社製)を、造影CTはAquilion 64(東芝社製)、造影剤は1-2ml/kg。Fusion imagingの作成はZiostation2(ザイオソフト社製)で行った。 【結果】 8例中7例(88%)でfusion imagingは作成可能であった。作成に要した時間はおよそ30分であった。Fusion不可であった症例はLP時の体動が大きかった症例であった。 【考察】 作成されたfusion画像では造影CTで描出される狭窄血管に合わせてLP由来の肺血流情報が提示することが可能であった。これまでLPと造影CTをそれぞれに診断し、術者の脳内で補完していたものを同時に描出することで、術者だけでなく修練医を始めとした治療スタッフとの問題意識の共有、LP・造影CTともになじみのない患者・家族への説明などに有用と考えられた。特に主要大動脈肺動脈側副血行路などの症例ではLPでの肺区域は正常と異なり、造影CTでの直接的な血管を同時に描出することで理解が深まると考えられた。 【結語】 造影CTとLPを同時に表現することで肺血管と血流の関係性がより良く描出されるようになり、治療前後の評価、理解共有などに有効である。