[I-P-034] 3Dナビゲーションシステムを用いた非透視カテーテルアブレーションの問題点:matched-controlを用いた比較
Keywords:カテーテルアブレーション, 3Dナビゲーションシステム, 非透視
背景:近年3Dナビゲーションシステムの誕生・発達により、極力透視画像を用いない非透視・準非透視カテーテルアブレーションが広まりつつある。過去の報告では非透視カテーテルアブレーションの成績は良好であり、手技時間や合併症についても透視下アブレーションと比較して遜色ないとされているが、これまでそれぞれの疾患毎にカテーテル治療の成績を比較した報告は存在しない。方法:2011年4月から2014年3月までに当科にてカテーテルアブレーションを施行した症例の中から、CARTO 3によるanatomical mappingを用い非透視・準非透視にて治療を行った症例を選び、その症例と疾患、年齢、体格が近似した透視使用症例を対照とした。先天性心疾患合併例と適切な対照が見つからなかった症例は除外した。両群において手技時間、透視時間、通電回数、合併症、再発率を比較した。結果:症例・対照それぞれ4例ずつで比較を行った。透視時間は症例群で有意に短く(0.50 ± 0.28分 vx. 11.73 ± 1.05分、P <0.001)、手技時間には両群間で有意差を認めなかった(115.0 ± 15.7分 vs. 122.8 ± 18.4分、P =0.760)。通電回数は両群間で統計的有意差を認めないものの、対照群で少ない傾向があった(4.5 ± 0.9回 vs. 2.8 ± 0.5回、P =0.127)。両群ともに術後合併症は認めず、術後1年間のフォローアップで再発を認めていない。考察:非透視・準非透視アブレーションにおいては、成績や手技時間、合併症について透視下アブレーションと遜色ないものの、治療成功までの通電回数が多くなる傾向が認められた。ナビゲーションシステムで作成された画像では、ターゲットへのカテーテルの接触の適切さの判断が難しくなっていると考えられた。非透視・準非透視アブレーションの普及のために、さらなる技術向上が必要である。