[I-P-035] 2nd Sessionを必要とした心房頻拍ablationの3例
Keywords:atrial tachycardia, ablation, pediatrics
【背景】心房頻拍(AT)のablationは時として誘発できないなどの理由で1st sessionが不成功に終わることがある。当院において2011年8月から2014年8月までの3年間に施行したAT ablationのべ12 sessionのうち2nd sessionを必要とした3例について検討する。【症例1】2歳女児、EPSにて右心耳先端部位からのATがmultipleに誘発された。右心耳先端部が分葉化しており、また肉柱形成が発達していたため、1st sessionは不成功に終わった。2nd sessionでは3DCT画像および右心耳造影を併用して右心耳最前部の最早期興奮部位を同定し、同部位への通電により焼灼することに成功した。【症例2】8歳女児、右房後側壁Crista起源のATが誘発された。最早期興奮部位が横隔神経と近接しており、低出力ペーシングでも容易に横隔膜twitchingを起こしたため、通電により横隔神経麻痺を来すことが憂慮された。twitchingを認めない部位からの通電で誘発されなくなったことを確認し1st sessionを終了したが、帰室後再発した。2nd sessionでは当院小児心臓血管外科の協力の下、心膜開窓術を行い鋼線ガーゼを至適部位近傍の心嚢腔に詰めて、横隔神経を物理的に焼灼部位から離すことで焼灼に成功した。【症例3】11歳男児、術前診断は左房起源のATであった。1st sessionでは全身麻酔をかけた後誘発することができず、pace mapをもとに左房後壁を数回焼灼し終了とした。外来で頻拍の再発を確認、2nd sessionを静脈麻酔下に行ったところ前回とは異なる左房前壁僧帽弁輪起源のATが誘発された。同部位への通電を行った後はATは誘発されず、sessionを終了した。外来でも再発を認めていない。【結語】3DCTや3D mappingなどのmodarityの発展は解剖を明らかにするという面でablationの技術の進歩に大きく貢献してきたが、なおablationが困難な症例は存在する。このような症例に対しても工夫を重ねることでablationを成功させることができる可能性がある。