[I-P-067] 成人期に到達した修正大血管転位症例の検討
Keywords:修正大血管転位症, 右心不全, 成人先天性心臓病
【目的】修正大血管転位症は遠隔期において解剖学的右心不全、三尖弁閉鎖不全症、不整脈等問題が多い。成人期に到達した体心室が右心室である修正大血管転移症例について検討した。【方法】当院で経過をみている成人期の修正大血管転位症例のうち、体心室が右心室である20例の再手術、術後続発症及び心機能の指標につき検討した。【結果】患者年齢は平均30.6歳。合併する心内奇形は、心室中隔欠損症+肺動脈狭窄:14例、心室中隔欠損症のみ:2例、心内奇形なし:4例。機能的修復術は16例に行い、手術時平均年齢6.7±5.0歳であった。三尖弁に対する手術は7例に10回(機械弁置換:9例、弁形成:1例)施行。房室ブロックのため5例にペースメーカー挿入、CRTを1例、ICD植え込みを1例に行った。肺動脈弁置換は8例に11回施行。大動脈弁閉鎖不全に対する大動脈弁置換術は3例に4回施行しており、1例も手術待機中。感染性心内膜炎の発症は2例あり、1例では左室肺動脈導管置換を行った。現在投薬なしは4例のみで、ARBを14例にβ遮断薬は9例で内服している。血中BNP値は77.8±57.0pg/dlと高く、2例のみ正常範囲内がであった。心エコー検査ではRVEFは平均50.0%、三尖弁閉鎖不全は64%で中等度以上、大動脈弁閉鎖不全は33%で中等度以上であった。1例は心不全のため渡航心移植を行い、1例は右心不全のため植え込み型人工心臓の装着し、現在移植待機中である。【結論】当院に紹介されている修正大血管転位症の多くは治療を要する患者が多いというバイアスはあるが、機能的修復術後も厳重な内科的治療と多くの外科的介入を必要としていた。三尖弁、肺動脈弁だけではなく、大動脈弁置換を必要とする症例も比較的多くみられた。今後更に長期になるにつれて右心不全に注意していかなくてはならない。