[I-P-092] 当院における先天心疾患児の発達フォローアップの現状と今後の課題
Keywords:先天性心疾患, 発達, リハビリテーション
【背景】当院NICUでは年間30-40例の先天性心疾患児の入院がある。その予後は改善してきていると思われるが、発達のフォローアップに関しては明確なプロトコールがないのが現状である。【目的】先天性心疾患児の発達予後に関して調査するため、当院NICUに入院した先天性心疾患児の退院後のフォローアップ状況、および発達検査の結果を調査した。【方法】対象は2010年1月から2013年7月までに出生した児で当院NICUに入院した先天性心疾患児(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症などは除く)とした。1歳6ヵ月の新版K式での発達検査の結果について、診療録から病名を調査して対象を抽出し後方視的に調査した。【結果】対象となった全83名のうち、フォローアップ中に死亡、転院、終診となった33名を除外した50名について検討を行った。50例のうち開胸術を受けた児は44名で、外来リハビリテーションを継続している児は31名であった。新版K式での発達検査を施行された児は25名であり、内訳はDQ≧85が18名、70≦DQ<85が12名、DQ<70が5名であった。それら25名の主病名は、大動脈離断/縮窄(5名)、修正大血管転位(5名)、両大血管右室起始症(4名)、ファロー四徴症(4名)、肺動脈閉鎖(3名)、総肺静脈還流異常症(3名)、左心低形成症候群(1名)であった。全50名中で自閉症スペクトラム障害と診断された児は3名いた。【考察】新版K式による発達検査が行われた児では、DQは必ずしも低値ではなかったが、発達評価に関して診療録に記載のない場合もあり全数調査は行えなかった。【結論】当院NICUに入院した先天性心疾患児の発達検査の結果に関して評価を行った。今後全数調査を行い更なる検討を行っていきたい。