[I-S03-01] 根拠と総意に基づく未熟児動脈管開存症ガイドライン(J-PreP)作成による現状と今後への展望
Keywords:PDA, indomethacin, guideline
2006年に施行した未熟児動脈管開存症(pPDA)の全国アンケートで診療の施設間差異を確認した。治療の標準化と改善を目指して、41施設66名の多職種メンバーで構成するプロジェクトチームを2007年に結成し、世界標準のEBM手法に基づいて<根拠と総意に基づくpPDA治療ガイドライン>:J-PreP (Japanese Preterm PDA)ガイドラインを2009年に公開した。
J-PrePガイドラインはシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬の投与方法などの質の高い科学的根拠が多い治療法については施設間差異を減らし、根拠が少ない治療について臨床・基礎研究の活性化のきっかけになった。
2011年にスタートした40施設共同研究である「周産期医療の質と安全の向上のための研究(INTACT)」プロジェクトでは極低出生体重児の診療に関する全国データベース分析からpPDAの診療に改善の余地があるNICUにおいて、ガイドライン作成者が施設訪問し,J-PrePガイドラインの推奨や科学的根拠を医師・看護師の多くのNICUスタッフに直接解説した上で、各NICUの状況に合わせたpPDA診療の改善行動計画の立案と実行を支援するワークショップを開催している。J-PrePガイドラインの臨床現場での活用方法や有効性を多施設協働で検討している。
J-PrePやINTACTで、pPDA診療の向上への課題が明らかになった。根拠が乏しく、施設間で差異が大きい心エコー評価法について全国30施設共同のPLASE研究を2015年からスタートする。COX阻害薬や外科治療の適応決定に関与するpPDAの重症度評価法の標準化と向上を期待する。PLASE研究で診断の標準化をした上で,有害事象が少なからずあるインドメタシンに替わりうる新しい薬物療法を,本邦の基礎研究の成果を基にしたトランスレーショナルスタディや多施設共同臨床研究で探求していきたい。
J-PrePガイドラインはシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬の投与方法などの質の高い科学的根拠が多い治療法については施設間差異を減らし、根拠が少ない治療について臨床・基礎研究の活性化のきっかけになった。
2011年にスタートした40施設共同研究である「周産期医療の質と安全の向上のための研究(INTACT)」プロジェクトでは極低出生体重児の診療に関する全国データベース分析からpPDAの診療に改善の余地があるNICUにおいて、ガイドライン作成者が施設訪問し,J-PrePガイドラインの推奨や科学的根拠を医師・看護師の多くのNICUスタッフに直接解説した上で、各NICUの状況に合わせたpPDA診療の改善行動計画の立案と実行を支援するワークショップを開催している。J-PrePガイドラインの臨床現場での活用方法や有効性を多施設協働で検討している。
J-PrePやINTACTで、pPDA診療の向上への課題が明らかになった。根拠が乏しく、施設間で差異が大きい心エコー評価法について全国30施設共同のPLASE研究を2015年からスタートする。COX阻害薬や外科治療の適応決定に関与するpPDAの重症度評価法の標準化と向上を期待する。PLASE研究で診断の標準化をした上で,有害事象が少なからずあるインドメタシンに替わりうる新しい薬物療法を,本邦の基礎研究の成果を基にしたトランスレーショナルスタディや多施設共同臨床研究で探求していきたい。