第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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要望演題

1-08 電気生理学・不整脈

要望演題4
電気生理学・不整脈

Thu. Jul 16, 2015 1:50 PM - 2:40 PM 第5会場 (1F アポロン A)

座長:
中村 好秀 (近畿大学)
大橋 直樹 (中京病院)

I-YB4-01~I-YB4-05

[I-YB04-05] 先天性心疾患術後心房頻拍に対するfragmented potentialを指標としたカテーテルアブレーション

和田 励, 豊原 啓子, 工藤 恵道, 宮本 健志, 西村 智美, 竹内 大二, 中西 敏雄 (東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:心房頻拍, カテーテルアブレーション, 先天性心疾患

【目的】先天性心疾患術後の心房頻拍は、病的心房筋を基盤として発生し、時に血行動態を破綻させ、難治である。また頻拍中のマッピングが困難な症例も少なくない。当院では頻拍回路に関連するfragmented potentialを指標としたカテーテルアブレーションを施行しており、その成績を報告する。
【方法】2013年1月から2014年12月の間に当院でカテーテルアブレーションを施行した先天性心疾患術後のマクロリエントリー性心房頻拍患者46人に対する60セッションを後方視的に検討した。短期成功とは追跡期間(1~12か月)内に症状の再燃を認めないこととした。
【結果】カテーテルアブレーション施行時の年齢は2歳~55歳(中央値28歳)であった。基礎心疾患は機能的単心室29人(atrio-pulmonary connection後15人,total cavo-pulmonary connection後7人,bidirectional cavo-pulmonary shunt後7人),Fallot四徴症術後5人,心房中隔欠損術後3人,完全大血管転位のMustard術後2人,修正大血管転位のダブルスイッチ術後2人,房室中隔欠損術後2人,心室中隔欠損術後1人,両大血右室起始術後1人,肺動脈閉鎖術後1人であった。その他の不整脈合併は峡部依存性心房粗動10人,洞不全症候群4人,房室結節リエントリー性頻拍1人,心室頻拍1人であった。全体の短期成功率は46人中32人(70%)であった。2回以上のセッションを必要としたものが32人中14人(44%)いた。単心室症例に限ると短期成功率はAPC後67%,TCPC後71%,BCPS後86%であった。肺静脈側心房に頻拍回路に関連するfragmented potentialが存在しBrockenbroughを施行した症例は10例あり短期成功率は70%であった。
【結論】fragmented potenialは心房の障害電位を反映し、同電位が記録される部位は伝導が遅延しリエントリー性心房頻拍の回路の一部となる。fragmented potentialを指標としたカテーテルアブレーションは、複数回のセッションを必要とすることが多いが、短期成績は良好である。