[II-O-17] カテコラミン誘発性多形性心室頻拍の突然死予防のための新しい取り組み
Keywords:CPVT, RFCA, ICD
【背景】カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)は、運動や情動により2方向性や多形性の心室頻拍が誘発され、心室細動に移行し失神や突然死を起こす致死性不整脈の一つである。近年CPVTの遺伝子解析が進む一方、薬物治療や高周波カテーテルアブレーション(RFCA)、植え込み型除細動器(ICD)などの治療の有効性が報告されるようになったがまだ少ない。
【目的】CPVT患者に対し、薬物、RFCA、着用型及び植え込み型除細動器などの治療を行ったので経過を報告する。
【対象と方法】失神既往のあるCPVT患者3名。診断時年齢:(症例1)7歳、(症例2)11歳、(症例3)15歳、全例男子。遺伝子検査:RyR2変異2、検査中1。治療目標は失神がなく、運動負荷試験にて心室期外収縮(VPC)がcouplet以上出現しないこととした。診断後に行われた治療と効果を後方視的に検討した。観察期間は4か月~2年6か月。
【結果】診断前の失神既往回数は2~4回。いずれも運動時であった。診断後は薬物治療を第一選択としてβ遮断薬を開始し、効果不十分な際はフレカイニドを追加した。その結果、全例でカルベジロール+フレカイニドを必要とした。さらに症例1では9歳時にtarget VPCに対し左冠尖内でRFCAを行った。しかし抑制効果は一時的であり、失神を来たしたためICDの植え込みを行った。症例3では薬物導入中に着用型自動除細動器(WCD)を用いて、突然死予防を図った。WCDは遠隔モニタリングで不整脈の状態を確認し治療計画に有用であるうえ、不整脈認識中のWCDの振動が児に不整脈出現を認識させるため、運動許容レベルを体得するのに役立った。現在全例生存し、学校生活が可能である。
【結語】CPVT診断後に薬物治療に加え、RFCA、WCDやICDなどの除細動器まで取り込んだ治療を行うことにより、突然死を回避しえた。CPVTは小児突然死のリスクの高い疾患であるため、常に新しい治療を考慮選択し症例を積み重ねていく必要がある。
【目的】CPVT患者に対し、薬物、RFCA、着用型及び植え込み型除細動器などの治療を行ったので経過を報告する。
【対象と方法】失神既往のあるCPVT患者3名。診断時年齢:(症例1)7歳、(症例2)11歳、(症例3)15歳、全例男子。遺伝子検査:RyR2変異2、検査中1。治療目標は失神がなく、運動負荷試験にて心室期外収縮(VPC)がcouplet以上出現しないこととした。診断後に行われた治療と効果を後方視的に検討した。観察期間は4か月~2年6か月。
【結果】診断前の失神既往回数は2~4回。いずれも運動時であった。診断後は薬物治療を第一選択としてβ遮断薬を開始し、効果不十分な際はフレカイニドを追加した。その結果、全例でカルベジロール+フレカイニドを必要とした。さらに症例1では9歳時にtarget VPCに対し左冠尖内でRFCAを行った。しかし抑制効果は一時的であり、失神を来たしたためICDの植え込みを行った。症例3では薬物導入中に着用型自動除細動器(WCD)を用いて、突然死予防を図った。WCDは遠隔モニタリングで不整脈の状態を確認し治療計画に有用であるうえ、不整脈認識中のWCDの振動が児に不整脈出現を認識させるため、運動許容レベルを体得するのに役立った。現在全例生存し、学校生活が可能である。
【結語】CPVT診断後に薬物治療に加え、RFCA、WCDやICDなどの除細動器まで取り込んだ治療を行うことにより、突然死を回避しえた。CPVTは小児突然死のリスクの高い疾患であるため、常に新しい治療を考慮選択し症例を積み重ねていく必要がある。