第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-03 胎児心臓病学

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胎児心臓病①

Fri. Jul 17, 2015 1:50 PM - 2:20 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:石井 徹子 (東京女子医科大学)

II-P-011~II-P-015

[II-P-012] 当院にて胎内診断された単心室系心疾患の予後

横山 岳彦, 岩佐 充二 (名古屋第二赤十字病院 小児科)

Keywords:胎児診断, 単心室, 予後

【はじめに】出生後に診断された単心室系疾患は管理の向上により、治療成績の向上が報告されている。しかし、胎内診断された単心室系疾患では、その合併症により周産期を乗り越える事ができずに亡くなる例が報告されている。そこで今回、当院における胎児診断例の実態を確認する目的で後方視的に検討したので報告する。【対象】2003年以降当院において行われた胎児心臓病検査のべ449回、318例。この中で、胎内診断された単心室系疾患は16例であった。【結果】左心系単心室、1例。右心系単心室、15例(両大血管右室起始症13例、左心低形成症候群2例)。死亡13名、生存3名。死亡例中、染色体異常は5名、うち18トリソミー4例。子宮内胎児死亡3例。Heterotaxiaで高度の房室弁逆流を伴い、出生後に急速に心不全が悪化し、日齢5での死亡が一例。二例が姑息術を施行したが、一例はPVOを伴ったTAPVDを合併しており、術後の呼吸不全により死亡。もう一例は、姑息術は乗り越え一旦退院したが、上室性頻拍から心不全に陥り、集中治療を開始。経過中に、虚血性腸管壊死とおもわれる腸管穿孔を起こし死亡した。生存例3例の内、一例は21トリソミーであり、肺動脈弁閉鎖に高度房室弁逆流を伴っており、出生直後から低酸素換気療法を必要とするなど注意深い経過観察を要した。【結語】胎内診断された単心室系疾患の児には、染色体異常の発生も多く、予後を悪くしている要因と考えられた。また、従来から言われている内臓錯位症候群での不整脈や房室弁逆流の管理が児の予後に影響していると思われる。出生前診断された単心室疾患は、合併症を考慮し家族へ説明することがより重要であると考えられた。