第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

Presentation information

ポスター

1-08 電気生理学・不整脈

ポスター
ペーシング療法

Fri. Jul 17, 2015 2:20 PM - 2:50 PM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:坂口 平馬 (国立循環器病研究センター)

II-P-069~II-P-073

[II-P-070] 当院における先天性心疾患・小児例へのペーシングデバイス治療の現況

枡岡 歩1, 細田 隆介1, 宇野 吉雅1, 加藤木 利行1, 住友 直方2, 鈴木 孝明1 (1.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科, 2.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科)

Keywords:小児不整脈, 植え込みデバイス, CRT

[背景]小児に対するペーシングデバイス治療は全ペーシングデバイス治療の1%前後と少ないが、近年は小児に対するCRTの適応症例も増加している。[目的]当院での先天性心疾患及び小児例へのペーシングデバイス治療について検討した。[対象] 2000年1月-2014年12月までのペースメーカー関連手術42例中、心筋電極植え込み手術症例25例を対象。[結果]植え込み時平均年齢9.82歳(生後3週-65歳)、平均体表面積0.70m2(0.18m2-1.54m2)、男女比10:15。新規植え込み症例19例、再手術(VVI→DDD or CRT)7例。完全房室ブロック12例、洞不全症候群5例、VVI後の心機能低下3例、心機能低下(CRT目的)1例、lead不全3例。心臓手術による植え込み適応例はAVSD術後1例、Konno術後1例、ccTGA+VSD術後1例、DORV+VSD術後1例、VSD閉鎖術後2例の6例。合併先天性心疾患は単心室症9例、ccTGA2例、ASD術後DCM1例、SSS 4例、心筋炎罹患後のSVT1例。 VVI(single chamber)5例:平均体表面積 0.19 m2 0.18m2-0.19m2、DDD(dual chamber)20例:平均体表面積 0.82m2、0.25 m2-1.54m2、CRT(triple chamber)1例:体表面積 0.53m2。VVI挿入症例5例のうち2例は、VVI植え込み後の心機能低下が著しく、DDD(dual chamber CRT)へ変更。VVI植え込み3症例と心機能低下によるCRT目的にDDDを植え込んだ1症例は、基礎疾患による心不全死。残りの症例はいずれも心機能低下も無く経過良好。[考察]VVI後の心機能低下例もあることから、できる限りDDDを選択しており、DDD植え込み例は満足する結果が得られている。しかし、体表面積が0.2m2前後の症例では、VVIを選択せざるを得ない。小児症例だけでは無く、成人症例においてもVVI植え込み後の心収縮力の低下は明らかであり、小児症例へも可能な限りDDDもしくは、症例によってはCRTまたはCRT-Dを選択することが必要と思われる。