[II-S10-03] How to Use Cryoablation for Children
キーワード:カテーテルアブレーション, 冷凍アブレーション, 冷凍マッピング
小児においても頻拍性不整脈の治療として、カテーテルアブレーションは一般的な治療となってきた。現在カテーテルアブレーションに本邦で使用できるエネルギーは高周波のみである。しかし、His束近傍の副伝導路、His束近傍の心室頻拍、異所性接合部頻拍などは房室ブロックの危険性があるため、高周波カテーテルアブレーションを躊躇せざる得ない症例が存在する。本年、冷凍アブレーションが認可された。現在は心房細動の肺静脈隔離術への適応のある冷凍バルーンと、心房細動に合併する心房粗動に対する8mmチップのカテーテルのみが限定した施設のみで使用できる。冷凍アブレーションは、バルーンもしくはクローズドループになったカテーテルに、液化亜酸化窒素ガスを放出し、バルーンもしくはカテーテル先端の温度を低下させることにより組織を冷凍してアブレーションを行なう新しい機器である。心房細動では、肺静脈に冷凍バルーンを圧着し冷凍することにより、肺静脈隔離を一回で行なうことができる。また、欧米では、4mmチップ、6mmチップが房室結節リエントリー頻拍に使用されている。これらの冷凍カテーテルアブレーションは、高周波カテーテルアブレーションにない利点を持っている。その一つが冷凍マッピングである。これはカテーテル先端を-30℃に冷却することにより一過性に組織伝導を阻害することが可能で、目的とする不整脈源のみが障害され、房室結節の伝導が障害されていない場合に、さらに温度を-50℃以下に下げて永久的な治療を行なうことができる。万が一房室結節伝導が障害された場合には-30℃から復温することにより伝導の障害が解除される。もう一つの利点は、冷凍固着である。カテーテルチップ温度を0℃以下に下げることにより、チップ先端が心内膜に固着するため、心拍動によるカテーテルの移動がおこらない。冷凍アブレーションの小児への利用について文献的考察を加えて報告する。