[II-S11-03] Intervensionに向けての心血管MRI検査の有用性
Keywords:intervension, 心血管, MRI
核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging: MRI)は、臨床応用として利用され始めてから、既に四半世紀が経過しようとしている。心機能や血流分布の評価技術といったところでは、近年は目覚ましい発展を遂げている。先天性心疾患においては、MRIを用いることで血行動態の評価が総合的に行うことが可能であり、必要不可欠なモダリティとなりつつある。既に、2013年にSociety of Cardiovascular Magnetic Resonanceから、先天性心疾患を持つ小児成人のMRI撮像のガイドライン及びプロトコールが発表されている。シネ撮像法では、心室・心房の収縮期・拡張期容量並びに駆出率等、超音波や心臓カテーテル検査に比して、より正確なデータを得ることが可能である。Phase Contrast(PC)法では、任意の血管の断面の通過血流(最大・平均)速度並びに通過血流量を算出でき、また血流波形パターンを知ることが可能である。狭窄血管において、ドプラ心エコーとカテーテルで測定した圧較差に乖離があることがある。MRIでは、このPC法で最大血流速度を測定することが出来るため、バルーン拡大の適応をより正確な判断に導くことが期待される。4D flow imagingでは、胸部血管を包括的に撮影でき、血流の動態を3次元+時間軸=4次元で観察することができる。また左右の肺動脈血流量を計測することで、肺血流左右比を算出することも可能であり、肺血流シンチグラムの代替となる。ガドリニウム造影剤を用いた造影MRIでは、心血管を描出することが可能であり、狭窄部位の形態の把握に有用である。これらのことが、放射線被曝無しに得られるというメリットは大きい。今後心血管MRIはますます発展していくものと思われる。