[II-S11-04] カテーテル治療における経食道心臓超音波検査の有用性
Keywords:経食道心臓超音波検査, カテーテル治療, 慢性腎臓病
経食道心臓超音波検査(TEE)のカテーテル治療時の適応は構造的心疾患に対する経皮的な閉鎖栓の留置や弁形成術、radiofrequency ablationである。経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術ではTEEが標準的な画像診断のモダリティである。心房中隔の観察(径、中隔瘤)、欠損孔の形態(二次孔であること、多孔性など)を評価し、径を計測する。3Dを用いると最大径の方向が把握しやすい。rimの評価(長さ、floppy rim)は重要で、留置の適応、手技の難度を決定する。aortic rim欠損では手技が難しくなるが、2Dでabsentと計測した例で、3Dでは土手状に盛り上がっているように見えることもあり、欠損孔の観察に3Dは有用である。経皮的動脈管(PDA)閉鎖術におけるモニタリングとしての有用性も報告があり、当院では積極的に施行している。45例中44例で短絡血流を確認でき、39例では形態評価もでき、留置後の遺残短絡、デバイスの左肺動脈への突出について評価できた。造影で最小径の評価が困難な成人では、ASDに準じてサイジングバルーンを用いてstop flow法で最小径を計測することができ、慢性腎臓病(CKD)合併の3例では、TEEを併用し1例では造影を留置後の1回のみ、2例では造影を行わずにAmplatzer Duct Occluder (ADO)を留置することができた。CKDを合併したPDAでは造影剤を用いずにADO留置を行うことは、造影剤腎症の予防に有用である。その他小児では大動脈弁狭窄や肺動脈弁狭窄、大動脈縮窄、心房中隔欠損形成術などに対するTEEによる術中モニタリングの有用性が報告されており、心腔内エコーのプローブをTEEに用いた報告があるが、小型化されたプローブによって低体重児でのTEEが可能になっている。成人では経カテーテル的大動脈弁留置術、経カテーテル僧帽弁閉鎖不全治療でもTEEは弁の形態、機能評価、術中のモニタリングとして重要な役割は果たしており、3D、4D画像構築、機能評価もリアルタイムにできるようになっている。