[II-S14-06] 成人動脈管開存の特徴とカテーテル治療における留意点
成人動脈管開存(PDA)の特徴とPitfalls
形態的にはPDA大動脈端の開大ときに瘤化、下行大動脈の拡大、大動脈の屈曲蛇行、石灰化などが特徴である。大動脈端の開大と下行大動脈の拡大は、大動脈造影によるPDAの形態や最小径の評価を困難にする。蛇行した下行大動脈はPDAへのアプローチを困難にする。石灰化により閉鎖栓がPDA壁に密着しずらいため遺残短絡の原因となる。血行動態的特徴としては高血圧や重症肺高血圧の合併、左室機能の低下などがある。閉鎖後には後負荷の増大により、血圧上昇を示すことがある。また左室前負荷の減少、左室機能の低下により、左室ポンプ機能の低下を示すこともある。心房細動や慢性腎臓病(CKD)などのco-morbidityが問題となることもある。心房細動に対する抗凝固療法は持続する遺残短絡の原因となる。また、CKDは造影剤腎症の危険因子である。
成人PDAに対するカテーテル治療のTips
形態評価にはCTやMRIが有用であるが最小径の評価には注意を要する。心房中隔欠損のバルーンサイジングに準じて、stop flow法により最小径を計測することができる。大動脈側からのPDAへのアプローチにはJR型カテーテルを適宜形成する。肺動脈側からはMP型カテーテルとストレートガイドワイヤーによるアプローチが有用であるが、大動脈側から挿入したガイドワイヤーを肺動脈内でスネアキャッチして、カテーテルをPDAに通過することもある。
2mm未満のPDAにはコイルが、これ以上ではAmplatzer Duct Occluder(ADO)が用いられることが多い。ADOのサイズ選択にあたってはデバイスの肺動脈端より大動脈端径を指標として決定したほう留置直後に完全閉鎖する可能性が高い。大動脈端の瘤化が著明な場合にはカバードステントによる閉鎖が選択肢となる。
CKD合併例では経食道または心腔内エコーによるモニタリングにより、造影剤を使用せずに閉鎖することも出来る。
閉鎖後の肺動脈圧、血圧、左室機能には慎重な観察が必要であり、適宜 血管拡張薬などの内科治療を行う。
形態的にはPDA大動脈端の開大ときに瘤化、下行大動脈の拡大、大動脈の屈曲蛇行、石灰化などが特徴である。大動脈端の開大と下行大動脈の拡大は、大動脈造影によるPDAの形態や最小径の評価を困難にする。蛇行した下行大動脈はPDAへのアプローチを困難にする。石灰化により閉鎖栓がPDA壁に密着しずらいため遺残短絡の原因となる。血行動態的特徴としては高血圧や重症肺高血圧の合併、左室機能の低下などがある。閉鎖後には後負荷の増大により、血圧上昇を示すことがある。また左室前負荷の減少、左室機能の低下により、左室ポンプ機能の低下を示すこともある。心房細動や慢性腎臓病(CKD)などのco-morbidityが問題となることもある。心房細動に対する抗凝固療法は持続する遺残短絡の原因となる。また、CKDは造影剤腎症の危険因子である。
成人PDAに対するカテーテル治療のTips
形態評価にはCTやMRIが有用であるが最小径の評価には注意を要する。心房中隔欠損のバルーンサイジングに準じて、stop flow法により最小径を計測することができる。大動脈側からのPDAへのアプローチにはJR型カテーテルを適宜形成する。肺動脈側からはMP型カテーテルとストレートガイドワイヤーによるアプローチが有用であるが、大動脈側から挿入したガイドワイヤーを肺動脈内でスネアキャッチして、カテーテルをPDAに通過することもある。
2mm未満のPDAにはコイルが、これ以上ではAmplatzer Duct Occluder(ADO)が用いられることが多い。ADOのサイズ選択にあたってはデバイスの肺動脈端より大動脈端径を指標として決定したほう留置直後に完全閉鎖する可能性が高い。大動脈端の瘤化が著明な場合にはカバードステントによる閉鎖が選択肢となる。
CKD合併例では経食道または心腔内エコーによるモニタリングにより、造影剤を使用せずに閉鎖することも出来る。
閉鎖後の肺動脈圧、血圧、左室機能には慎重な観察が必要であり、適宜 血管拡張薬などの内科治療を行う。