第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム(多領域専門職部門)

シンポジウム2(多領域専門職部門)
先天性心疾患をもち地域に帰る子どもへの多職種支援

2015年7月17日(金) 16:10 〜 17:40 第7会場 (1F シリウス)

座長:
水野 芳子 (千葉県循環器病センター)
山崎 康祥 (藍野大学医療保健学部 臨床工学科)

II-TRS2-01~II-TRS2-05

[II-TRS2-03] 在宅における子どもと家族の日常生活とケア

梶原 厚子 (医療法人財団はるたか会 NPO法人あおぞらネット)

小児医療における進歩によって、多くの子ども達が助かるようになりました。それに伴い医療に依存しながら在宅生活を送る子が増えています。その子ども達を支える家族と在宅支援者(医療・福祉・保健・教育などの地域資源)がチームとなり、その子の特性をふまえつつ、早期療育、成長発達そして、健康な暮らしをどのように構築して行けるのか、日々努力をしているところです。小児在宅医療を必要とする子ども達の多くは、先天性の心疾患を抱えていることが多いです。先天性の心疾患を合併する染色体異常の子どもや、手術のために成長を待つ間に在宅療養をしている子どもなど、多くの子ども達を看てきました。先天性の心疾患を持ち、歩行できるようになった子ども達が遊んでいる様子をみて、関節可動域が大きいと感じたことから、筋緊張が低い子ども達が多いことに気が付きました。1歳~2歳児で、立位をとると足首が潰れていたり、3歳4歳児の立位の姿を横から見ると、へっぴり腰になり、腹筋や背筋が弱いことが分かります。手術後だという事や、治療が優先されて生活体験の不足からくるものも大きいのですが、そもそもの特徴として筋緊張が低いお子さんが多いと思います。四肢体幹筋の低緊張の子は内臓の柔らかさもあるようで、喉頭気管軟化症や、胃食道逆流、自力排便困難などの症状があらわれています。感覚が統合されて、抗重力姿勢を獲得する時期に、様々な医療的な介入が必要になる子ども達は、治療と並行して、あるいは治療がある程度落ち着いたら、出来るだけ早期に療育的な関わりが必要だと感じています。そこで、当法人における訪問看護師や訪問リハビリの早期療育、日常生活支援とケアについて、「家族でも誰にでもできる」ということをキーワードに述べたいと思います。