第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

1-11 心不全・心移植

ポスター
トルバプタン

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:14 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:東 浩二 (千葉県こども病院)

III-P-060~III-P-063

[III-P-062] 小児におけるトルバプタンの副作用についての検討

高見澤 幸一, 進藤 考洋, 田中 優, 平田 陽一郎, 犬塚 亮, 清水 信隆 (東京大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:トルバプタン, 副作用, 小児

【背景】小児へのトルバプタン(TLV)使用による副作用の検討は殆どされていない。【目的】TLV使用による副作用の出現状況を検討する。【方法】2014年1月から2015年1月にTLVを投与した自施設症例の診療録より、診断、年齢(月齢)、体重(投与前、投与1週間後)、併用薬剤、摂取水分量、尿量、TLV投与量、口渇などの症状、血清浸透圧、生化学データを抽出して後方視的に検討した。【結果】対象症例は10症例で、うち1例(拘束型心筋症)は3か月の休薬を経て2期間に投与されていた。10症例の診断内訳は心筋症3例(拡張型2、拘束型1)、左心低形成3例、エプスタイン奇形2例、無脾症1例、房室中隔欠損症1例。投与開始時年齢は平均5.1歳(5か月~14歳)で平均投与期間は158日(11~374日)であった。初期投与量は平均0.09(0.05~0.11)mg/kg/日、維持投与量は平均0.21(0.08~0.6)mg/kg/日でいずれも分2投与であった。1週間後の体重の変化率は平均-2(-6~+3)%であった。無効例が1例、効果判断困難例が1例であった。高Na血症や肝機能障害を来した症例はなかった。口渇をのべ5例(45%)に認め、その内3例では過大な飲水量のために体重増加を来たし、投与中止あるいは減量を要した。口渇を認めた症例の平均年齢は9.5歳(2~14歳)で、認めなかった症例の1.4歳(6か月~4歳)に比べて有意に高かった。口渇を生じた投与量は平均0.16(0.08~0.22)mg/kg/日であった。【考察】昨年の本学会におけるTLV投与の多施設調査結果と同様に、口渇は高率に生じる副作用であるが、年長例で起こりやすい傾向があった。TLV投与量と口渇の出現との間に相関を見出すことはできなかった。【結論】年長児では口渇を生じやすい可能性があり、TLV導入に際して慎重な用量調整が必要である。