第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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1-13 術後遠隔期・合併症・発達

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フォンタン術後遠隔期

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:26 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:曽我 恭司 (昭和大学横浜市北部病院)

III-P-070~III-P-075

[III-P-071] フォンタン術後遠隔期の心不全に対し心外導管転換、房室弁置換、ペースメーカー植込みを同時施行し良好な経過を得た無脾症候群の成人女性例

岡崎 新太郎1, 西田 公一1, 谷口 智史2, 山岸 正明3, 豊原 啓子4, 杉山 央4 (1.福井循環器病院 小児科, 2.福井循環器病院 心臓血管外科, 3.京都府立医科大学 小児心臓血管外科, 4.東京女子医科大学 循環器小児科)

Keywords:フォンタン術, 難治性不整脈, 房室弁機能不全

【背景】フォンタン術(F術)後遠隔期には心房粗細動、上室頻拍などの頻拍性不整脈と洞機能不全による徐脈性不整脈の頻度が高く重篤な心不全や突然死の原因となる。薬物療法が奏効しない難治性不整脈症例は高周波アブレーション(RFCA)やTotal cavopulmonary connection(TCPC)転換術などの侵襲的再治療の適応となりうる。房室弁機能不全もまたフォンタン循環を破綻させる一因となる。我々はF術後遠隔期心不全を呈した成人例に心外導管転換、人工弁置換、ペースメーカー植込みを同時に施行し極めて良好な結果を得た。【症例】29歳女性。無脾症候群による右室型単心室に対し心内導管型TCPCによるF術を11歳時に施行された。術後心内導管のリークと肺動脈狭窄によるチアノーゼが残存。27歳ごろより心房頻拍が出現し他院にてRFCAおよび中心肺動脈に対するステント留置、側副血管コイル塞栓術を施行された。心房頻拍は一時消失したが高度房室ブロックによる慢性除脈を呈するようになりさらに心房頻拍の再発も見られた。チアノーゼの悪化、全身浮腫など心不全症状が進行し入退院を繰り返した。心臓カテーテル検査にて高度の共通房室弁逆流と平均肺動脈圧上昇(19mmHg)を認め29歳11ヶ月時に心外導管への転換術、31mm SJM弁による房室弁置換術、抗頻拍心房ペーシング機能を有するDDDペースメーカー(medtronic Advisa DR)の植込み術を同時施行した。術後チアノーゼ、浮腫は完全に消失し術前悪化していた肝障害も数値改善を得た。【まとめ】F術後遠隔期の難治性不整脈、共通房室弁逆流による心不全に対して心外導管転換、房室弁置換、ペースメーカー植込みを一期的に行い臨床症状および検査所見の劇的改善が得られた。F術遠隔期の循環破綻に対し積極的外科治療介入が奏功した一例として報告する。