[III-P-073] 心外型フォンタン手術術後青年期~成人到達症例の検討
Keywords:心外型TCPC, 長期遠隔期, 青年期
【目的】心外型TCPCは、心機能温存、上室性不整脈のリスク軽減、等が期待されるが、人工血管を用いた場合、遠隔期の狭窄、短縮が懸念される。我々は心外導管に有茎自己心膜を用いていたが、二期的Fontan導入に伴い、現在はePTFEを用いている。幼児期心外型TCPC導管として比較的小口径(16-18mm)人工血管は妥当と考えるが、青年期以降に相対的狭窄をきたすことが懸念される。今回、心外型TCPC術後青年期症例を検討し、小口径導管の長期予後を推測する。【方法】当院で小児期に心外型TCPCを行い、最終観察時年齢が青年期以上(16歳以上)に到達した12例を対象とした。手術時期は1993年から2000年。TCPC時年齢4.6±3.4歳。最終年齢21.2±5.0歳。単心室7例、TA 3例、L-TGA、DORV 各1例。導管は初期の3例にePTFE、1996年以降の9例に有茎心膜を用いた。有茎心膜は導管7例(2例は心室後方経路)。心房外トンネル2例(Lashinger法、背側をsuturelessにしたGundry法)。azygous connection が2例で1例はTCPSからの移行例。二期的TCPCは1例でGundry法を用いた。9例に術後カテーテル検査を行ったが、うち8例は術後2年以降の遠隔期カテーテルを行い得た。導管径はカテーテル検査、エコー、CT等で評価した。【成績】有形自己心膜導管は成長に伴い延長、径縮小が見られ不整形トンネルのGundry法の1例を含めスムーズなプロポーションが維持されていた。現在BNP26.4±32.0、無職1例、学生4例、他は就業している。現時点で導管に関連した有害事象は認めなかった。導管最小径が18以下の症例を3例(1例は肝静脈-PA)認めたが肝鬱血所見は認めなかった。【結論】心外型TCPC術後青年期症例の経過は良好であった。小口径人工血管使用例はまだ長期予後不明確であるが成人以降も良好な血行動態を期待できる可能性はあると推測される。