[III-P-131] 新生児期の心臓腫瘍に対する外科的アプローチ
Keywords:心臓腫瘍, 外科的アプローチ, 新生児
【背景と目的】
胎児期に発症する心臓腫瘍は結節性硬化症に伴う心臓横紋筋腫などがあるが,自然消退することが多く手術に至ることは少ない.ただし腫瘍のサイズが大きい場合には心室への流入や流出が障害され早期に手術治療が必要となることがある.今回我々は胎児期より認められた心臓腫瘍のため出生後早期に外科的介入を要した3例を経験したので報告する.
【方法と結果】
症例1)日齢8,女児.体重3.3kg.胎児エコーで右室内腫瘍を指摘された.出生後次第に右室流出路狭窄が進行し手術適応とした.右室流出路切開にて腫瘍部分切除を施行.以後は良好な術後経過である.
症例2)日齢1,女児.2.6kg.胎児エコーにて左室心尖部に付着する心臓腫瘍を認めた.出生後循環は安定していたが,左室流出路に腫瘍が突出し嵌頓するリスクが高いと判断し手術適応とした.大動脈、肺動脈を離断し左房切開から経僧房弁的にアプローチし腫瘍の部分切除を施行.以後の経過は良好であった.
症例3)2か月,男児.5.2kg.1か月検診時に心雑音にて左室内腫瘍を指摘された.手術待機中に心室細動を認め心肺蘇生,ECMO装着を要した.後日経大動脈弁的に左室内腫瘍の部分切除を施行した.蘇生時の低酸素脳症を発症したが軽快退院.
3例とも結節性硬化症に伴う心臓腫瘍で組織型は横紋筋腫であった.
【考察、結論】
今回我々は胎児期発症と考えられる心臓腫瘍の3手術例を経験した.それぞれ腫瘍の大きさ,付着部位,進展範囲が異なりアプローチ法も個々の症例に応じて検討する必要があった.最も重要なことは腫瘍とその周囲組織の解剖が最もよく確認できる視野を選択することで,特に房室弁及び弁下組織は損傷することで予後を著しく悪化させるため,その位置関係の把握を最も重視する必要がある.また腫瘍の付着部位・範囲により術中術式変更が行える様,様々な術式に対応できるアプローチを予め想定することが重要であると考えられた.
胎児期に発症する心臓腫瘍は結節性硬化症に伴う心臓横紋筋腫などがあるが,自然消退することが多く手術に至ることは少ない.ただし腫瘍のサイズが大きい場合には心室への流入や流出が障害され早期に手術治療が必要となることがある.今回我々は胎児期より認められた心臓腫瘍のため出生後早期に外科的介入を要した3例を経験したので報告する.
【方法と結果】
症例1)日齢8,女児.体重3.3kg.胎児エコーで右室内腫瘍を指摘された.出生後次第に右室流出路狭窄が進行し手術適応とした.右室流出路切開にて腫瘍部分切除を施行.以後は良好な術後経過である.
症例2)日齢1,女児.2.6kg.胎児エコーにて左室心尖部に付着する心臓腫瘍を認めた.出生後循環は安定していたが,左室流出路に腫瘍が突出し嵌頓するリスクが高いと判断し手術適応とした.大動脈、肺動脈を離断し左房切開から経僧房弁的にアプローチし腫瘍の部分切除を施行.以後の経過は良好であった.
症例3)2か月,男児.5.2kg.1か月検診時に心雑音にて左室内腫瘍を指摘された.手術待機中に心室細動を認め心肺蘇生,ECMO装着を要した.後日経大動脈弁的に左室内腫瘍の部分切除を施行した.蘇生時の低酸素脳症を発症したが軽快退院.
3例とも結節性硬化症に伴う心臓腫瘍で組織型は横紋筋腫であった.
【考察、結論】
今回我々は胎児期発症と考えられる心臓腫瘍の3手術例を経験した.それぞれ腫瘍の大きさ,付着部位,進展範囲が異なりアプローチ法も個々の症例に応じて検討する必要があった.最も重要なことは腫瘍とその周囲組織の解剖が最もよく確認できる視野を選択することで,特に房室弁及び弁下組織は損傷することで予後を著しく悪化させるため,その位置関係の把握を最も重視する必要がある.また腫瘍の付着部位・範囲により術中術式変更が行える様,様々な術式に対応できるアプローチを予め想定することが重要であると考えられた.