第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター

2-01 外科治療

ポスター
PA・IVS

Sat. Jul 18, 2015 10:50 AM - 11:20 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:猪飼 秋夫 (岩手医科大学附属循環器医療センター)

III-P-157~III-P-161

[III-P-161] 右室二腔症修復術の遠隔成績

白石 修一, 高橋 昌, 杉本 愛, 文 智勇, 土田 正則 (新潟大学医歯学総合病院 心臓血管外科)

Keywords:右室二腔症, 外科治療, 遠隔成績

【目的】右室二腔症心内修復術の遠隔期成績を検討すること。【方法】1992年1月以降に当院で右室二腔症に対し心内修復術を行った13例(男性7例、女性6例)を対象とした。手術時年齢8ヵ月~70歳、術後経過観察期間9.8±3.5年。全例にhigh-pressure chamberに開口するVSDを合併していた。既往手術にVSD閉鎖術を2例に認めた。術前右室収縮期圧96±35mmHg、右室左室圧比0.95±0.35、右室内圧較差67.5±33.0mmHg、肺体血流比1.48±0.52。【結果】在院死亡・早期死亡なし。右室二腔症修復術の術式として経右房的筋束切除5例、右室切開及び右室流出路パッチ形成術7例、transanular patchを1例に施行。VSD合併例は全例閉鎖し、術前より心室頻拍の合併1例で同時に植え込み型除細動器(ICD)の植え込み及び右室へのcryoablationを行った。術後合併症は術後出血による心タンポナーデ1例を認め再開胸止血術を行った。また、1例に術後心室頻拍を認め、術後3か月時にICD植え込み術を行った。遠隔死亡を術後7年(慢性腎不全)と13年(慢性心不全)に2例認めたが、共に手術時年齢は高齢(64歳、70歳)であった。最近の心エコー検査では、右室流出路の流速は 1.63±0.62m/sと有意な加速は認めず、右室流出路狭窄の残存・再発を認めた症例は無く同部位に対する再手術例もなし。【結語】右室二腔症に対する心内修復術の遠隔成績は良好であり、右室内圧較差の残存や再発もなく関連した再手術例も認めなかった。VSD閉鎖術後に右室二腔症が進行する症例もあり、心内形態によっては閉鎖術時に圧較差が無くても念頭に入れた鑑別が必要と考えられた。また、本疾患における成人例は不整脈の合併が多くその他臓器の低下も多く認めるため術後においても慎重な管理が必要である。