第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム

シンポジウム17
PA/IVSの治療戦略 これからの小児科・外科のコラボレーション

Sat. Jul 18, 2015 8:30 AM - 10:00 AM 第2会場 (1F ペガサス B)

座長:
矢崎 諭 (国立循環器病研究センター)
山岸 正明 (京都府立医科大学小児医療センター)

III-S17-01~III-S17-07

[III-S17-03] 二心室を目指す純型肺動脈閉鎖/重症肺動脈狭窄はカテーテル治療で到達し得るか

西川 浩1, 大橋 直樹1, 福見 大地1, 大森 大輔1, 江見 美杉1, 山本 英範1, 櫻井 一2, 山名 孝治2, 野中 利通2, 櫻井 寛久2, 武田 紹1 (1.JCHO中京病院中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.JCHO中京病院中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

Keywords:PAIVS, 二心室修復, カテーテル治療

【はじめに】PAIVS及びcriticalPS(両者で右心低形成症候群、以下、HRHS)は、三尖弁輪径(TV)、右室容積、三腔構造、の適応の元、二心室修復(BVR)を目指す疾患群である。近年、高周波ワイヤーや心房中隔閉鎖デバイス(ASO)の承認によりHRHSへのカテーテル治療(CI)介入の幅は広がった。【目的】BVRを目指すHRHS(BiHRHS)はCIのみでBVRに到達できるか、その低侵襲と考える治療戦略につき考察すること【対象と方法】最近10年間に当センターに入院したBiHRHSの適応選択、治療の介入法につき診療録を後方視的に検討。【結果】HRHS症例34例中、BiHRHSは21例(4.3±5.5歳)。胎児診断9例(43%)。穿破を要したPAIVS12例、ピンホールのCPS7例。新生児期手術介入は8例(38%)に要し、肺血流低減目的6例(Brock4,BT1,ligation1)、増加目的2例(BT2)。穿破合併症の手術対応が1例あった。右室内筋肉切除(OH)2例。心房間閉鎖は4例に施行(ASO2、開胸閉鎖2)。【考察】BiHRHSの経過中、外科的介入は10例(48%)に必要とした。順行性肺血流を確立する中で、動脈管(DA)による肺血流は必ずしも薬剤で制御可能ではなく、心不全例では低減、又、弁穿破直後のDA閉鎖に伴う低酸素に対しては増加目的に手術を必要とした。緊急性を要する例があり、事前から周知して外科のバックアップ体制を整えておくことが必須である。この疾患群は胎児心エコーでの抽出が可能であり、予めチーム合同体制を整えておく事は可能と思われる。右室心筋切除を要する症例では開胸手術によりBVRに到達する。【結語】BiHRHSにおいてBrock術やASD閉鎖などに代わるCIで到達しうる症例があり、残存BTの処理においてもAVPなどでの対応が可能となりうる。しかし、緊急肺血流制御や合併症への対応、OHなど要する場合は開胸手術が必須であり、引き続き連携の取れた外科内科チーム体制の整った施設で行う必要がある。