第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム

シンポジウム17
PA/IVSの治療戦略 これからの小児科・外科のコラボレーション

Sat. Jul 18, 2015 8:30 AM - 10:00 AM 第2会場 (1F ペガサス B)

座長:
矢崎 諭 (国立循環器病研究センター)
山岸 正明 (京都府立医科大学小児医療センター)

III-S17-01~III-S17-07

[III-S17-04] PA/IVS新生児期カテーテル治療に対する遠隔期成績ー 三尖弁輪/僧帽弁輪比率は2心室治療指標となりうるか?ー

太田 教隆, Ming Chern Leong, 立石 篤史, Sivakumar Sivalingam, Marhisham Che Mood, Hasri Samion, Mazeni Alwi (マレーシア国立循環器病院 小児循環器センター)

Keywords:PAIVS, 経皮的肺動脈弁拡大, 二心室治療

【はじめに】PA/IVSに対して当院では90年代より右室形態(Bipartite or Tripartite)を問わず新生児期よりカテーテル治療による右室圧減圧を第一選択としてきた。しかしながらその多様な形態により今だ明確な治療方針決定に難渋する疾患の一つである。今回それらの治療に対して後方視的検討を加え報告する。
【方法】1995年から 2013年まで当院にて経皮的肺動脈バルーン拡大術(PPBV)を行い追跡調査が可能であったPAIVS 117 例。肺血流調整にはPDA stent術、BT shunt術を適宜必要に応じて追加した。
【結果】初回PPBV施行年齢(median)は14 日(7days - 2.5months)、体重(median)は3.3kg(2.9 - 4.2kg)であった。また初回入院時三尖弁輪径(Z score: mean±SD)は-1.25 ± 1.83であり、三尖弁輪/僧帽弁輪比(TV/MV)は0.74±0.23であった。Follow up期間は11.6±4.6年。現在最終statusがそれぞれ、二心室治療: 89 例(76%)、1/2 repair : 25例(21%), Fontan: 3例(3%) である。TV size(Z score: BVR vs 1/2 repair)(-0.92±1.76 vs -2.25 ±1.6 : p<0.001), TV/MV (0.81± 0.21 vs 0.61± 0.22: p=0.0012)であり有意にBVR到達群の方がTV径、TV/MV比率が大きい傾向にあった。またTV/MV値>0.67が二心室治療到達と強い相関(p = 0.018; sensitivity: 78%; specificity : 76%)を示した。
【結語】多様な右室形態を持つPAIVSに対しTV/MV 値は内科的、外科的治療方針決定の上で簡便で且つ有用な指標であることが示唆された。