[III-S17-05] 当院におけるPA/IVS、Critical PSに対する治療戦略の変遷
Keywords:PA/IVS, RVDI, RV-TV index
【目的】2005年以降、PA/IVS、critical(c) PSの初期介入はRVDI、修復術はRV-TV index(I)を基準にしてきた。治療戦略を再検討する。【方法】2000年以降に初期から介入したPA/IVS 8例、cPS 6例を対象とした。2005年以前(前期)の初期治療はopen Brockを行い、必要であれば二期的にshuntを追加、以降はRVDI≧0.7(A)でBrockのみ、0.7~0.35(B)で+β-blocker、≦0.35(C)で+shunt、類洞-冠動脈交通や流出路筋性閉鎖症例はshuntのみの方針で行った。2009年以降、on pump(on-p)でBrockを行い、B、Cで肺血管拡張薬を併用した。修復術はRV-TVI≧0.4(D)で解剖学的修復、0.4~0.2(E)でASD部分閉鎖、≦0.1はFontanとした。【結果】14例中3例はFontan track。前期の2例はshunt追加を要したが、これらはBに相当。Aの2例をPTPV、1例をon-p Brockで介入。PTPVの1例はshunt追加を要した。Bの1例をPTPV、2例をon-p Brockで介入。PTPVの1例はshunt追加を要した。Cの1例をoff pump(off-p)、2例をon-pで介入。Dが7例、Eが3例であった。Dの3例(初回介入がPTPV)はPRのためRVEDVが150~170%と右室が拡大。off-pの1例もPRが生じた。他の3例はon-p例で、RV/LV圧比0.3~0.4、右室拡大なく良好な結果であった。Eは初回介入がoff-p 1例、on-p 2例で、on-pの1例はRV-TVI 0.213のため1.5心室修復(VR)を行った。他の2例はASD部分閉鎖による2VRを行い、1年後にはいずれもASDが自然閉鎖していたが、off-p例はPRが問題として残った。RV-TVI 0.199の症例も1.5VRを行い良好に経過している。on-p例はCでも2VRに到達しており、PR・右室拡大の問題が回避出来ていた。【結語】RVDIは初回介入でのshuntの必要性を正確に反映していた。on-p Brockによる正確かつ十分な弁切開が、良好な右室の減圧と順行性肺血流をもたらし、右室発育とPR予防に繋がると考えられた。肺血管拡張薬の積極的併用も右室発育に寄与した。RV-TVI 0.2前後では1.5VRも良好な結果が得られた。